ニュース速報

ビジネス

JPモルガン、第4四半期利益が予想上回る 貸倒引当金縮小

2021年01月16日(土)02時06分

米金融大手JPモルガン・チェースが15日に発表した2020年第4・四半期決算(12月31日まで)は、貸倒引当金の縮小や投資銀行部門などの好調な業績を追い風に、利益が市場予想を大幅に上回った。写真はニューヨーク市で2017年1月撮影(2021年 ロイター/Stephanie Keith)

[15日 ロイター] - 米金融大手JPモルガン・チェースが15日に発表した2020年第4・四半期決算(12月31日まで)は、貸倒引当金の縮小や投資銀行部門などの好調な業績を追い風に、利益が市場予想を大幅に上回った。

純利益は121億ドル(1株当たり3.79ドル)と、前年同期の85億ドル(同2.57ドル)から42%拡大した。貸倒引当金を29億ドル戻し入れたことで、1株利益が0.72ドル増加した。貸倒引当金の残高は300億ドル超。

貸倒引当金を除いた純利益は99億ドル(1株3.07ドル)と、リフィニティブのアナリスト予想平均である1株2.62ドルを大幅に上回った。

収入は3%増の302億ドル。このうち投資銀行部門の収入は37%急増し25億ドルだった。金融市場の変動が大きくなる中、トレーディング収入も20%増の59億ドルとなった。

一方、本業の収益源である純金利収入(NII)は134億ドルと、7%減少した。

4部門中3部門で収入が増加。コンシューマー・コミュニティーバンキング部門は8%減となった。

2021年は、事業投資として15億ドル、技術投資として9億ドルを追加支出することから、非金利支出(NIE)が前年の655億ドルから約680億ドルに拡大する見通しとした。

ダイモン最高経営責任者(CEO)は「新型コロナウイルスワクチンや景気刺激策の進展がプラスに働いたことにより、四半期の引当金は縮小した」と説明。引当金が縮小しても中核的な利益が拡大するわけではないものの、経済環境が今後予想以上に悪化した場合の備えになると強調した。

また「ワクチン実用化や財政刺激策などにより今年下半期の経済は改善する」と指摘。「潜在需要は多く、この混乱期を切り抜けているという事実に基づく楽観も出てくるかもしれない。今夏までには非常に健全な経済になっている可能性がある」とした。

一方、ピプスザック最高財務責任者(CFO)は、収入に基づく減資制限によると第1・四半期には最大45億ドルの自社株買いが可能とした。

アナリストは低金利環境やコロナ禍を考慮すると決算内容は堅調だったと指摘。エバーコアISIのアナリスト、グレン・スコール氏は「力強い業績で経済見通しは改善している」と述べた。

*情報を追加します

ロイター
Copyright (C) 2021 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中