ニュース速報

ビジネス

アイルランドの銀行、厳しいショックに対応できる資本の備え=中銀

2020年11月27日(金)08時25分

11月26日、アイルランド中央銀行は、国内のリテール(個人向け)銀行に関し、隣国の英国が欧州連合(EU)と通商合意を締結しないことを既に想定した「基本シナリオ」よりもはるかに厳しいショックを吸収するのに十分な資本を全体として備えているとの分析結果を示した。ダブリンの金融街で2017年11月撮影(2020年 ロイター/Clodagh Kilcoyne)

[ダブリン 26日 ロイター] - アイルランド中央銀行は、国内のリテール(個人向け)銀行に関し、隣国の英国が欧州連合(EU)と通商合意を締結しないことを既に想定した「基本シナリオ」よりもはるかに厳しいショックを吸収するのに十分な資本を全体として備えているとの分析結果を示した。

分析によると、国内銀行全体の中核的自己資本比率(普通株式等Tier1・CET1)は基本シナリオ下で現在の18.5%から12.6%に低下し、悪化シナリオでは8%になるとみられる。

悪化シナリオは新型コロナウイルス対策で今年実施したロックダウン(封鎖措置)のような混乱が来年のほとんどの期間続き、世界経済の回復が予想より緩慢となり、銀行が融資基準を厳格化して景気悪化を助長するとの想定に基づいている。

中銀は新型コロナの世界的大流行(パンデミック)に対応し、4月に景気変動の影響を抑制するカウンター・シクリカル資本バッファー(CCyB)の要件をゼロ%に引き下げた。25日には、2021年に引き上げる考えはないと表明している。

アイルランド政府は来週、6週間の厳格な行動制限を解除する予定で、小売店の営業が全面的に解禁され、他の接客業の一部も営業再開が認められるとみられる。

中銀のマクルーフ総裁は記者団に「銀行全体の対応が最終的な景気状況を決定づけることになる。銀行は緊急政策支援を活用し、企業や家計への持続可能な信用供与を継続し、景気回復につなげるべきだ」と訴えた。

中銀はまた、2021年に長期的景気循環に連動しないシステミック・リスクに対処する資本バッファーの段階的導入を開始する考えはないと説明。また、来年は3年連続で住宅ローンの貸し出し上限を据え置くとした。

国内の多くの企業の存続可能性はコロナ以前およびコロナ関連の債務を再編できるかどうかに左右されるとし、保有する現金が3カ月分の事業経費を下回っている中小企業の割合はコロナ流行下で倍増し、16%になったと明らかにした。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

IEA、過去最大4億バレルの備蓄放出を勧告 全会一

ワールド

イラン、W杯「参加できない」 最高指導者殺害で=ス

ワールド

トランプ氏、イランの標的「ほぼ残らず」 戦闘近く終

ビジネス

米CPI、2月前年比+2.4%上昇 3月のインフレ
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 2
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃に支持が広がるのか
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」…
  • 6
    イランがドバイ国際空港にドローン攻撃...爆発の瞬間…
  • 7
    「邪悪な魔女」はアメリカの歴史そのもの...歌と魔法…
  • 8
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 9
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 10
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 5
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 6
    イラン猛反撃、同士討ちまで起きる防空戦はいつまで…
  • 7
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 8
    日本の保護者は自分と同じ「大卒」の教員に敬意を示…
  • 9
    中国はイランを見捨てた? イランの「同盟国」だっ…
  • 10
    中国、4隻目の空母は原子力艦か──世界3番目の原子力…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中