ニュース速報

ビジネス

村田製、営業利益予想を上方修正 スマホ・自動車が回復

2020年10月30日(金)17時55分

 村田製作所は30日、2021年3月期の連結営業利益(米国基準)予想を前年比1.3減の2500億円に上方修正した。写真は同社のロゴ、2017年10月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 30日 ロイター] - 村田製作所<6981.T>は30日、2021年3月期の連結営業利益(米国基準)予想を前年比1.3%減の2500億円に上方修正した。スマートフォン向けや自動車向け需要の回復、「巣ごもり」需要の拡大で売上高が当初想定を上回る見込みとなった。リフィニティブがまとめたアナリスト予想の平均は2319億円。

会見した村田恒夫会長は「上半期の中でも期待以上に早く、スマホ、車関係の需要は回復に向かっていると感じている」と述べた。売上高予想は同2.9%減の1兆4900億円に上方修正。生産高の増加に伴う操業度益の発生で、営業利益も当初想定を上回る見込みとなった。4―9月の受注高は4750億円で過去最高となった。

第5世代(5G)端末市場の予想は、当初の2億4000万台から3億台に上方修正した。当初、前年比で10%減の12億4000万台とみていたスマホ市場は7%減の12億8000万台に、自動車市場は20%減の6700万台を15%減の7100万台に、それぞれ予想を上方修正した。5G基地局向け部品は、4月の想定に比べ需要が弱含んでいるという。一部の基地局メーカーの開発が遅れていることなどが背景という。

米政府による中国・華為技術(ファーウェイ)[HWT.UL]への輸出規制は「他のセットメーカーの需要がカバーし、あまり大きな影響はない」(村田会長)とした。ファーウェイとも「米規制を守った内容でのビジネスはさせてもらっている」としたが、取引量はごくわずかとみられる。

来年度以降も5Gに関連した需要や、自動車の電装化に伴う部品搭載点数の増加が期待できるとして、設備投資計画は2000億円で据え置いた。下期の為替レートは1ドル105円、1ユーロ122円と想定する。年間配当予想は1株あたり110円で据え置いた。

20年4―9月期の営業利益は前年同期比8.3%増の1315億円だった。製品価格の値下がりや為替変動の影響などの減益要因はあったが、生産高増加に伴う操業度益や前期に計上した減損損失の反動による固定費の減少などの増益要因があった。

売上高は同1.2%減の7520億円だった。主力製品の積層セラミックコンデンサー(MLCC)がPC向けや基地局向けで堅調だったが、車載向けで落ち込んだほか、樹脂多層基板やリチウムイオン二次電池がスマートフォン向けで減少した。

*内容を追加しました。

(平田紀之 編集:田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...その正体は身近な「あの生き物」
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 8
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 9
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 10
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中