ニュース速報

ビジネス

人民元基準値の設定方法変更、CCF撤廃 人民銀が確認

2020年10月28日(水)00時01分

 関係筋によると、中国人民銀行は、日々公表する人民元の基準値の設定に組み込んでいる調整措置の「逆周期因子(カウンターシクリカルファクター)」を中立にした。2016年4月撮影(2020年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[上海 27日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)傘下の中国外貨取引センター(CFETS)は27日、日々公表する人民元の基準値(中間値)の設定に参加している銀行が、設定に組み込まれている調整措置の「逆周期因子(カウンターシクリカルファクター、CCF)」の利用を停止したと確認した。

ロイターはこれに先立ち、2人の関係筋の話として、人民銀がCCFを中立にしたと報じていた。アナリストの間では、こうした動きは人民元相場の若干の下落の容認につながるとの見方が出ている。

CFETSは声明で、透明性の促進に向け、基準値設定モデルを変更すると表明した。

人民元はここ数カ月、海外からの資本流入や経済ファンダメンタルズの改善で対ドルで上昇。国内市場の元は5月下旬以降、対ドルで6%超上昇している。

ロイターの報道を受け、オフショア人民元は対ドルで約0.2%下落し、6.7236元と、約2週間ぶりの安値を付けた。

中国は2017年にCCFを導入。その後、市場情勢に対応し、人民元相場を安定的に保つために、設定方法を繰り返し調整してきた。

一部のアナリストは、CCFは通貨安の圧力軽減に向けた措置だったため、人民元相場の上昇を受け効果は低減しており、今回の決定は予想外ではなかったと指摘。

ANZのアジア調査部門責任者、Khoon Goh氏は「通貨安の懸念がなくなった今、CCFの撤廃は理にかなう。人民元相場の下落を積極的に追求することを必ずしも意味しているわけではない。単にこうしたツールが不要になったということだ」と指摘。経済ファンダメンタルズや、中国とその他の主要国との金利差を踏まえると、人民元への資金の流入は継続するとの見方を示した。ANZは基準値の設定に参加していない。

*情報を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

MAGA派グリーン議員、トランプ氏発言で危険にさら

ビジネス

テスラ、米生産で中国製部品の排除をサプライヤーに要

ビジネス

米政権文書、アリババが中国軍に技術協力と指摘=FT

ビジネス

エヌビディア決算にハイテク株の手掛かり求める展開に
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生まれた「全く異なる」2つの投資機会とは?
  • 3
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 4
    「中国人が10軒前後の豪邸所有」...理想の高級住宅地…
  • 5
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 6
    レアアースを武器にした中国...実は米国への依存度が…
  • 7
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 8
    悪化する日中関係 悪いのは高市首相か、それとも中国…
  • 9
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中