ニュース速報

ビジネス

印フューチャー、事業売却中止なら清算手続き アマゾンと対立

2020年10月27日(火)09時42分

 10月26日、インドの小売り大手フューチャー・リテール(FRL)は、同国の複合企業リライアンス・インダストリーズへの事業売却が認められなければ、清算手続きに入る意向を示した。ロイターが入手した文書で明らかになった。写真はインドのベンガルールで9月18日撮影(2020年 ロイター/Abhishek N. Chinnappa)

[ニューデリー 26日 ロイター] - インドの小売り大手フューチャー・リテール(FRL)は、同国の複合企業リライアンス・インダストリーズへの事業売却が認められなければ、清算手続きに入る意向を示した。

ロイターが入手した文書で明らかになった。

FRLはリライアンスへの事業売却を計画していたが、FRLと昨年、別の契約を締結した米アマゾンが事業売却は契約違反に当たると主張。シンガポールの仲裁機関は25日、売却計画の一時差し止めを命じた。

FRLは今年8月、小売り・卸売り・物流事業などを負債を含めて33億8000万ドルでリライアンスに売却することで合意したが、アマゾン側は、FRLの子会社と昨年締結した契約で、リライアンスの総帥ムケシュ・アンバニ氏の関連企業などに小売り事業を売却しないとの条件を付けていたと主張している。

この契約では、紛争が起きた場合はシンガポールの仲裁機関で処理すると定められていた。

FRLは仲裁機関に対し「事業売却が実現しなければ、FRLは清算手続きに入る。FRLの従業員2万9000人以上が生計手段を失うことになる」と主張。

だが、仲裁機関は「経済上の問題だけでは、法的な義務を無視する法的根拠にはならない」との判断を示した。

インドでは、新型コロナウイルスの流行を受けて、多くの小売り企業の業績が悪化しており、FRLも事業売却で資金を調達することを目指している。

アマゾンは先に、仲裁機関の決定を歓迎すると表明。FRLは事業売却を進めるため、適切な措置を講じる姿勢を示している。リライアンスも、事業売却契約を完了する意向を示した。

アマゾンはインドを主要な成長市場と位置付け、65億ドルを投資しているが、リライアンスは電子商取引事業を急ピッチで拡大しており、アマゾンを脅かす存在となっている。

関係筋によると、シンガポールの仲裁機関の決定をインドで自動的に実行することはできず、インドの裁判所の承認が必要になる。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米軍麻薬作戦、容疑者殺害に支持29%・反対51% 

ワールド

ロシアが無人機とミサイルでキーウ攻撃、8人死亡 エ

ビジネス

英財務相、26日に所得税率引き上げ示さず 財政見通

ビジネス

ユーロ圏、第3四半期GDP改定は速報と変わらず 9
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    文化の「魔改造」が得意な日本人は、外国人問題を乗…
  • 5
    「水爆弾」の恐怖...規模は「三峡ダムの3倍」、中国…
  • 6
    『トイ・ストーリー4』は「無かったコト」に?...新…
  • 7
    中国が進める「巨大ダム計画」の矛盾...グリーンでも…
  • 8
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 9
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 10
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 8
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 9
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中