ニュース速報

ビジネス

ドル、週間で上昇 コロナ感染拡大や追加対策に懸念=NY市場

2020年10月17日(土)07時02分

終盤のニューヨーク外為市場では、ドル指数が小幅安となった。ただ、週間では新型コロナウイルスの世界的な感染再拡大や米国の追加コロナ対策を巡る懸念などを背景に上昇した。ソウルで2013年1月撮影(2020年 ロイター/Lee Jae Won)

[ニューヨーク 16日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドル指数が小幅安となった。ただ、週間では新型コロナウイルスの世界的な感染再拡大や米国の追加コロナ対策を巡る懸念などを背景に上昇した。

この日発表された9月の米小売売上高は、前月比1.9%増と市場予想の0.7%増を上回った。これを受け、ドル指数は下げ幅を一部縮小した。

ドル指数<=USD>は0.1%安の93.676。週間では0.7%上昇し、上昇率は過去3週間で最大だった。

新型コロナの感染再拡大を抑制するため、米中西部や欧州では新たな制限措置が導入されており、コロナ禍からの経済回復が鈍化すると不安視されている。

米国の追加コロナ対策を巡る協議も依然として進展していない。

米財務省は16日、2020年会計年度(9月30日まで)の財政赤字が過去最悪の3兆1320億ドルに達したと発表した。大規模な新型コロナウイルス対策を導入したことで、これまでの過去最悪だった09年度(1兆4160億ドル)の2倍を超える水準に膨らんだ。

ウエスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア市場アナリスト、ジョー・マニンボ氏は「新型コロナ、刺激策、米経済、間近に迫る米大統領選という4つの懸念の中で、市場の楽観的な見方は今週後退し、ドルの追い風になった」と述べた。

安全通貨である円は今週、対ドルで0.2%上昇する見込み。安全通貨を選好する動きは依然として強い。

キャピタル・エコノミクスのシニア米国エコノミスト、マイケル・ピアース氏は、米小売売上高について「9月の予想を上回る伸びは、米経済の勢いが想定以上に第4・四半期も持続することを示唆し、今夏の失業給付期限切れが経済に悪影響を与えるとの懸念を払拭する」と指摘。「ただ、新型コロナの感染再拡大を考慮すると、国内総生産(GDP)成長率見通しを早々に上方修正することはない」とした。

ポンドは荒い値動きの中、序盤の上昇を吐き出した。ジョンソン英首相は16日、欧州連合(EU)が根本的に方針を変更しない限り、通商合意のないまま離脱する準備をする時だと述べ、これ以上の交渉は意味がないという強い不満を示した。

ドル/円 NY終値 105.40/105.44

始値 105.28

高値 105.43

安値 105.23

ユーロ/ドル NY終値 1.1718/1.1722

始値 1.1717

高値 1.1745

安値 1.1714

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中印ブラジル「ロシアと取引継続なら大打撃」、NAT

ビジネス

NY外為市場=ドル急伸し148円台後半、4月以来の

ビジネス

米金利変更急がず、関税の影響は限定的な可能性=ボス

ワールド

トランプ氏「ウクライナはモスクワ攻撃すべきでない」
MAGAZINE
特集:AIの6原則
特集:AIの6原則
2025年7月22日号(7/15発売)

加速度的に普及する人工知能に見えた「限界」。仕事・学習で最適化する6つのルールとは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パスタの食べ方」に批判殺到、SNSで動画が大炎上
  • 2
    日本より危険な中国の不動産バブル崩壊...目先の成長だけ追い求め「失われた数百年」到来か?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    真っ赤に染まった夜空...ロシア軍の「ドローン700機…
  • 5
    「このお菓子、子どもに本当に大丈夫?」──食品添加…
  • 6
    「史上最も高価な昼寝」ウィンブルドン屈指の熱戦中…
  • 7
    約3万人のオーディションで抜擢...ドラマ版『ハリー…
  • 8
    「オーバーツーリズムは存在しない」──星野リゾート…
  • 9
    「巨大なヘラジカ」が車と衝突し死亡、側溝に「遺さ…
  • 10
    歴史的転換?ドイツはもうイスラエルのジェノサイド…
  • 1
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップを極めれば、筋トレは「ほぼ完成」する
  • 2
    「弟ができた!」ゴールデンレトリバーの初対面に、ネットが感動の渦
  • 3
    「お腹が空いていたんだね...」 野良の子ネコの「首」に予想外のものが...救出劇が話題
  • 4
    千葉県の元市長、「年収3倍」等に惹かれ、国政に打っ…
  • 5
    日本企業の「夢の電池」技術を中国スパイが流出...AP…
  • 6
    どの学部の卒業生が「最も稼いでいる」のか? 学位別…
  • 7
    イギリスの鉄道、東京メトロが運営したらどうなる?
  • 8
    完璧な「節約ディズニーランド」...3歳の娘の夢を「…
  • 9
    エリザベス女王が「うまくいっていない」と心配して…
  • 10
    「二度とやるな!」イタリア旅行中の米女性の「パス…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事故...「緊迫の救護シーン」を警官が記録
  • 4
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 5
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 8
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 9
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
  • 10
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中