ニュース速報

ビジネス

ドル上昇、週間では4月上旬以来の大幅な値上がり=NY外為

2020年09月26日(土)06時39分

ニューヨーク外為市場ではドルが上昇。週間では4月上旬以来の大幅な値上がりとなった。写真はドルとユーロ紙幣。5月26日撮影(2020年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration/File Photo)

[ニューヨーク 25日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場ではドルが上昇。週間では4月上旬以来の大幅な値上がりとなった。経済回復の鈍化懸念や欧州での新型コロナウイルスの感染拡大、米追加刺激策を巡る不透明感、米大統領選が近づいていることなどを受けた。

米商務省が25日発表した8月の耐久財受注統計は、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比1.8%増と、市場予想の0.5%増を上回った。ただ、8月全体の耐久財受注は前月比0.4%増と、7月の11.7%増加から大幅に鈍化した。

TDアメリトレードの外国為替・先物担当マネジングディレクター、JBマッケンジー氏は、投資家が不安を感じることが多い中で、11月3日の米大統領選を前にボラティリティーが高まり、結果的にドルへの需要が膨らむと予想。「選挙、刺激策、持続的な景気回復の3要素の足並みがそろわなければ、安全資産への逃避としてドル買いが生じる可能性が非常に高い」と述べた。

また、英国の欧州連合(EU)離脱を巡る懸念などもドル高要因とした。

ドルは前日に5日ぶりに反落したが、この日は懸念が再燃したことで買いが優勢だった。

テンパスのシニア外為トレーダー兼ストラテジスト、フアン・ペレス氏は「前日のセンチメントは落ち着いたポジティブな状態だったが、この日発表された耐久財受注統計は米国の成長ペースがまだら模様であることを示唆している」とし、国内外の経済指標の軟化や追加刺激策を巡る協議の長期化、選挙を控えた懸念などがドル需要を押し上げているとした。

大統領選挙を巡っては、トランプ大統領が、ジョー・バイデン氏が大統領選に勝利した場合でも平和的な政権交代に協力するという確約を拒んだことに対し、マコネル上院院内総務が「円滑な政権移行が行われる」と強調するなど、複数の共和党議員から否定的な反応が出ている。

ペレス氏は「将来の不透明感が高まるようなときにドルは再び上昇する。強い政府が継続性や安定性を明確にしないとき、市場は常に恐怖を感じる」と述べた。

終盤のドル指数<=USD>は0.31%高の94.601。週間の上昇率は4月上旬以来の大きさとなった。

対円では105.60円と5日続伸。週間では6月上旬以降で最大の上昇。

ユーロ/ドルは0.40%安の1.1627ドル。一時約2カ月ぶりの安値を付けた。週間では4月上旬以降で最大の値下がりとなった。

ドルは対スイスフランで6日続伸し、週間の上昇は4月上旬以降で最大だった。

豪ドルは0.28%安。週間では3.6%安と3月20日終了週以降で最大。ニュージーランドドルは0.08%下落。週間では5月15日終了週以来の大幅な値下がりとなった。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米英首脳、両国間の投資拡大を歓迎 「特別な関係」の

ワールド

トランプ氏、パレスチナ国家承認巡り「英と見解相違」

ワールド

訂正-米政権、政治暴力やヘイトスピーチ規制の大統領

ビジネス

英中銀が金利据え置き、量的引き締めペース縮小 長期
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の物体」にSNS大爆笑、「深海魚」説に「カニ」説も?
  • 2
    燃え上がる「ロシア最大級の製油所」...ウクライナ軍、夜間に大規模ドローン攻撃 国境から約1300キロ
  • 3
    1年で1000万人が死亡の可能性...迫る「スーパーバグ」感染爆発に対抗できる「100年前に忘れられた」治療法とは?
  • 4
    「日本を見習え!」米セブンイレブンが刷新を発表、…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    アジア作品に日本人はいない? 伊坂幸太郎原作『ブ…
  • 7
    ケージを掃除中の飼い主にジャーマンシェパードがま…
  • 8
    中国山東省の住民が、「軍のミサイルが謎の物体を撃…
  • 9
    中国経済をむしばむ「内巻」現象とは?
  • 10
    「ゾンビに襲われてるのかと...」荒野で車が立ち往生…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 3
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 4
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 5
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 6
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 9
    「何だこれは...」クルーズ船の客室に出現した「謎の…
  • 10
    電車内で「ウクライナ難民の女性」が襲われた驚愕シ…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果物泥棒」と疑われた女性が無実を証明した「証拠映像」が話題に
  • 4
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 5
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影…
  • 6
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれ…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 9
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中