ニュース速報

ビジネス

英GDP速報値、第2四半期は20.4%減 過去最大の落ち込み

2020年08月12日(水)23時30分

 8月12日、英国立統計局(ONS)が発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比20.4%減と過去最大の落ち込みを記録した。写真は2009年1月、ロンドンで撮影したクレーン(2020年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 12日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が12日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値は前期比20.4%減と過去最大の落ち込みを記録した。新型コロナウイルスの流行に伴うロックダウン(都市封鎖)が最も厳しかった時期で、マイナス幅はこれまでのところ主要国で最大となった。

マイナス成長は2四半期連続で英経済はリセッション(景気後退)入りした。生産は4月時点でコロナ前の水準を25%強下回った。

統計局は6月のGDPが前月比8.7%増加したことを理由に回復の兆しも見られると指摘した。ロイターがまとめたエコノミスト予想は8%増。ただ、市場では回復の持続性を疑問視する声もある。

統計局のジョナサン・アソー氏は「新型コロナのパンデミック(世界的流行)がもたらしたリセッションによりGDPは四半期ベースで過去最大のマイナスを記録した」と指摘。6月に経済は回復し始めたが、それでも同月のGDPは新型コロナの影響が本格化する前の2月の水準を下回っていると述べた。

6月のGDPは前年同月比16.8%減と5月の23.3%からマイナス幅が縮小した。

第2・四半期のGDPは市場予想(20.5%減)とほぼ一致した。ユーロ圏のGDPは前期比マイナス12.1%、米国は同マイナス9.5%だった。

スナク英財務相は「きょうの統計は厳しい局面にあることを裏付けている。何十万人もの人が既に失業しており、残念なことに今後数カ月でさらに多くの人が職を失うことになる」と述べた。

英商工会議所のエコノミスト、スレン・ティル氏は、最近の経済の持ち直しは、抑え込まれていた需要(ペントアップ・デマンド)が表面化しているにすぎず、持続的な回復とは言えないと指摘。「急激なV字回復の可能性は依然として低い」と述べた。

4ー6月期の就業者数は22万人減少。コロナ禍の影響で、減少幅は2009年以降で最大となった。失業率は3.9%で1ー3月期と変わらず。職探しを諦めた人は増加しているものの、失業者には含まれていない。英国では大規模な雇用維持制度が10月末で打ち切られるため、今後失業者の増加が予想されている。[nL4N2FD1S6]

イングランド銀行(英中銀)は先週、来年第4・四半期までは経済規模が当初の水準を回復する見込みはなく、失業者は急増する可能性が高いと警告した。

*情報を追加します

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

追加利下げに慎重、政府閉鎖で物価指標が欠如=米シカ

ビジネス

英中銀総裁「AIバブルの可能性」、株価調整リスクを

ビジネス

シカゴ連銀公表の米失業率、10月概算値は4.4% 

ワールド

米民主党ペロシ議員が政界引退へ 女性初の米下院議長
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 2
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 3
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの前に現れた「強力すぎるライバル」にSNS爆笑
  • 4
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 5
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 6
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 9
    約500年続く和菓子屋の虎屋がハーバード大でも注目..…
  • 10
    ファン熱狂も「マジで削除して」と娘は赤面...マライ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 8
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中