ニュース速報

ビジネス

JALの4─6月期、09年に次ぐ規模の最終赤字 通期予想また未定

2020年08月03日(月)19時43分

8月3日、日本航空(JAL)が発表した2020年4―6月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が937億円の赤字(前年同期は129億円の黒字)に転落した。写真は2017年4月、羽田空港のハンガーで撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 3日 ロイター] - 日本航空(JAL)<9201.T>が3日発表した2020年4―6月期連結決算(国際会計基準)は、純損益が937億円の赤字(前年同期は129億円の黒字)に転落した。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、国内線、国際線とも旅客需要が急減。09年に次ぐ規模の四半期最終赤字となった。21年3月期の業績と配当予想は再び公表を見送った。

会見した菊山英樹専務執行役員は「非常に重く受け止めている」と発言。新型コロナが同社の経営に与える影響は、「リーマン・ショックをはるかに上回る」と語った。

JALは今年度から国際会計基準に変更した。従来の日本基準で比較すると、09年4─6月期に計上した990億円以来の赤字幅となった。

同社は需要回復にはまだ時間がかかると予想。菊山氏は会見で、コロナ以前の水準に戻るのは国内線で1年以上、国際線で2―3年ほどかかるとの見通しを示した。今年度は「国内線8割、国際線5割の回復で黒字化の希望を持っている」と語った。

21年3月通期の連結業績・配当予想は、引き続き未定とした。中間配は実施しない。リフィニティブがまとめたアナリスト9人による今期純損益の予測平均値は1661億円の赤字。同社は今年度末までにコロナ後を見据えた新たな中期経営計画を発表する予定にしている。

厳しい事業環境が続く中、今年度は年間900億円の固定費削減、800億円の投資抑制を目指す。

同社は20年2月以降、約3000億円の資金調達を実施した。銀行からの融資枠であるコミットメントラインも1500億円増額し、2000億円を確保しているという。

6月末の手元現預金は3943億円で、菊山氏は「(シナリオ通り行けば)半年から1年は十分(持つ)」と説明。それでも厳しい状況が続いたり、さらに悪化した場合に備え「引き続き前広な資金調達を実施していく」としている。

*内容を追加して再送します。

(新田裕貴 編集:久保信博)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国で「南京大虐殺」の追悼式典、習主席は出席せず

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 3
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ」が物議...SNSで賛否続出
  • 4
    現役・東大院生! 中国出身の芸人「いぜん」は、なぜ…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    「体が資本」を企業文化に──100年企業・尾崎建設が挑…
  • 9
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 10
    高市首相の「台湾有事」発言、経済への本当の影響度.…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 4
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 8
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中