ニュース速報

ビジネス

日銀、金融政策の現状維持を決定 経済・物価「見通しの範囲内」

2020年07月15日(水)12時57分

 日銀は7月14─15日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定した。写真は都内の日銀本店前で2009年3月撮影(2020年 ロイター/Yuriko Nakao)

[東京 15日 ロイター] - 日銀は14─15日に開いた金融政策決定会合で、現行の長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)付き量的・質的金融緩和政策の継続を賛成多数で決定した。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて打ち出した政策を継続し、企業などの資金繰り支援と金融市場の安定維持に努めるとした。当面は感染症の影響を注視し、必要であれば躊躇なく追加緩和を打ち出すとした。

声明と同時に公表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)では、経済・物価の見通しはいずれも「おおむね前回の見通しの範囲内」と指摘。経済活動の再開で、日本経済は今年後半から徐々に改善していくとみられるが、世界的に新型コロナの影響が残る中で回復ペースは緩やかなものにとどまるとした。感染症を巡る不確実性が大きいことも改めて強調した。

政策金利の目標は賛成8、反対1で据え置きを決定。短期金利は、引き続き日銀当座預金のうち政策金利残高にマイナス0.1%の金利を適用する。長期金利は、10年物国債金利がゼロ%程度で推移するよう、上限を設けず必要な金額の長期国債買い入れを行う。片岡剛士委員は長短金利引き下げで緩和を強化することが望ましいとして反対した。今回から決定会合に参加した中村豊明委員は賛成した。

日銀は、全員一致で長期国債以外の資産買い入れ規模を据え置いた。当面、上場株式投資信託(ETF)は年12兆円、不動産投資信託(REIT)は年1800億円の残高増加ペースを上限に積極的に購入する。CP・社債は、21年3月末までの間、それぞれ7.5兆円の残高を上限に追加買い入れを実施する。

日銀は声明で、2%の物価目標の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで長短金利操作付き量的・質的金融緩和を継続するとあらためて表明。マネタリーベースは、生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率が安定的に2%を超えるまで拡大方針を継続するとした。政策金利は「現在の長短金利水準またはそれを下回る水準で推移を想定している」とした。

*内容を追加しました。

(和田崇彦 編集:山川薫、田中志保)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

フィリピン、大型台風26号接近で10万人避難 30

ワールド

再送-米連邦航空局、MD-11の運航禁止 UPS機

ワールド

アングル:アマゾン熱帯雨林は生き残れるか、「人工干

ワールド

アングル:欧州最大のギャンブル市場イタリア、税収増
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 9
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 9
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中