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アングル:早期解散の思惑に揺れる与党、先送りなら石破氏有利の観測

2020年07月02日(木)14時59分

 7月2日、与党内で衆院解散観測が浮上する中、そのタイミングを巡って思惑が交錯している。「今秋」説がある一方、新型コロナウイルスによる景気悪化や公明党の慎重姿勢を受けて「年末・年始」が現実的との指摘もある。写真は国会議事堂。2016年7月撮影(2020年 ロイター/Toru Hanai)

竹本能文

[東京 2日 ロイター] - 与党内で衆院解散観測が浮上する中、そのタイミングを巡って思惑が交錯している。「今秋」説がある一方、新型コロナウイルスによる景気悪化や公明党の慎重姿勢を受けて「年末・年始」が現実的との指摘もある。さらに先延ばしとなる場合は景気が一層悪化している公算が大きく、解散前に総裁選を行い、人気の高い石破茂自民元幹事長で選挙すべきとの声も出ている。

衆議院議員の任期は2021年10月。来年になれば「追い込まれ解散」となり、与党に不利とのジンクスもある。安倍晋三首相が記者会見などで「頭の片隅にもない」と否定しても、「投票日は10月25日だろう」(閣僚経験者)といった憶測が与党内で広がっている。

解散観測が強まっているのは、安倍首相自身が与党幹部との会合を重ねているからだ。早期解散論者で知られる麻生太郎財務相と6月10日以来たびたび長時間にわたり会談しており、麻生氏が「早期解散を進言した」(与党幹部)とされる。

9月から10月にかけて衆院を解散した場合、自民党の議席減は「最悪で60、まあ30程度で済む」(別の与党幹部)との試算も、早期解散論を後押ししている。

しかし、与党内では慎重論も多く聞かれる。報道によると、公明党の斉藤鉄夫幹事長は6月29日、麻生氏から今秋の衆院解散を打診されたのに対し「できるだけ遅い方がよい」と慎重論を伝えたと記者団に話している。公明党の山口那津男代表も6月30日の記者会見で「まだブルペンに入っている状況でない」と述べ、早期解散論をけん制した。

公明党の慎重姿勢について「新型コロナによる集会自粛の長期化で公明党の準備体制が整っていない」(自民中堅)との説明も聞かれる。一方、自民党側も「コロナによる政治資金パーティー自粛で実は早期の選挙は難しい」(閣僚側近)との指摘がある。

ある与党幹部は「解散・総選挙の本命候補は来年1月の大安の日だろう」と予測。こうした事情があるにもかかわらず、解散風が吹くのは、内閣支持率が3割前後で低迷する「安倍首相の求心力を維持するためだ」と解説する。

自民党の各派閥のパーティー日程を並べると、秋の解散・総選挙に間に合うよう夏の間に開催するのは7月16日に予定している麻生派のみ。石破派、細田派は9月、岸田派、二階派、石原派、竹下派はいずれも10月に予定しており、資金集めの照準は年末に向けられている。

一方、「冬に新型コロナが再度、感染拡大すれば、解散はさらに先に延びる。当面難しいかもしれない」(自民ベテラン)との声も聞かれる。新型コロナ流行を受けた世界的な経済縮小により輸出・生産の低迷が続いており、「来年はさらに景気が厳しくなり、首相が(世論調査で人気の高い)石破さんでないと選挙を戦えないとの声も出る」(自民中堅)との見立ても聞かれ始めた。

実際、年末にかけて東京五輪の中止判断や、米大統領選で安倍首相と良好な関係を維持していたトランプ氏が落選することになれば、「年末に安倍首相が退陣し、自民党総裁選を経て新首相が解散を打つべき。今の流れなら石破さん」(与党幹部)との読みもある。

共同通信によると、石破氏は2日、都内で講演し、新型コロナウイルスの感染が収束していない現状を踏まえ「解散するべきだとは思わない」と明言。早期の衆議院解散に否定的な見解を示した。

(編集:内田慎一、石田仁志)

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