ニュース速報

ビジネス

独ルフトハンザ監査役会、独政府と合意の救済案を承認

2020年06月02日(火)01時03分

独航空大手ルフトハンザの監査役会は1日、独政府と合意した90億ユーロ規模の救済案を承認した。コロラド州デンバーで3月撮影(2019年 ロイター/Jim Urquhart)

[フランクフルト 1日 ロイター] - 独航空大手ルフトハンザの監査役会は1日、独政府と合意した90億ユーロ規模の救済案を承認した。ルフトハンザは新型コロナウイルス感染拡大で業績が急激に悪化。救済案の下で中核空港の一部発着枠を手放さざるを得ないが、複雑な再建プロセスが一歩先に進んだ。

ルフトハンザの救済策を巡っては、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会がフランクフルトとミュンヘンの空港での発着枠を恒久的に手放すよう求めたため、ルフトハンザの監査役会は拒否。ただその後、政府救済案と引き換えに欧州委員会から求めらていた条件についてより有利な形で受け入れたと発表した。

救済案の下、独政府はルフトハンザの株式20%を取得するほか、政府は監査役会に2人の監査役を送り込む。政府が保有する株式については、ルフトハンザが買収の標的となった場合は、政府は25%に1株を加えた水準まで保有を増加させられる。また、ルフトハンザはフランクフルトとミュンヘンの空港で最大24の発着枠を手放す。

ルフトハンザの監査役会長は声明で「ルフトハンザの株主は安定化に向け大きな貢献が求められるが、株主にこの方針に従うよう要請する」とし、「ルフトハンザはこの先、極めて困難な状況に直面すると言わざるを得ない」とした。

シュポア最高経営責任者(CEO)は「世界的な航空旅客市場の回復には時間がかかると予想されるため、輸送能力の調整は避けられない」と述べた。

救済案は規制当局のほか、株主の承認を得る必要がある。ルフトハンザは3日に第1・四半期決算を発表。25日にテレビ会議形式で特別株主総会を実施する。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中