ニュース速報

ビジネス

3月の世界食料価格は低下、新型コロナや原油安で

2020年04月02日(木)19時15分

4月2日、国連食糧農業機関(FAO)によると3月の世界食料価格は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の減少と国際石油価格の急落を背景に下落した。写真はフランスのマルシェで2019年7月撮影(2020年 ロイター/Regis Duvignau)

[ローマ 2日 ロイター] - 国連食糧農業機関(FAO)によると3月の世界食料価格は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う需要の減少と国際石油価格の急落を背景に下落した。

FAOの食料価格指数は3月は平均172.2ポイントで、2月から4.3%低下した。同指数は穀物、植物油、乳製品、食肉、砂糖で構成するバスケットの価格変動を測定する。

FAOのシニアエコノミストは「価格下落の主な理由は、供給面でなく需要面の要因だ。需要は、景気見通しの一層の悪化の影響を受けている」と説明した。

3月に最も下落したのは砂糖。砂糖価格指数は前月比19.1%低下した。新型コロナを受けた外出禁止等のロックダウンで消費が減少したほか、原油価格の下落でエタノール生産業者の需要も減退した。

植物油価格指数は12%低下。新型コロナの市況への影響が懸念されパーム油が下落した。

FAOのアナリストは「ここ1カ月の原油急落が、砂糖や植物油の重要な需要源であるバイオ燃料にかなりの悪影響を与えた」と述べた。

乳製品価格指数は3%低下。食肉価格指数は0.6%低下した。

穀物価格指数は1.9%低下。ただコメ価格は3カ月連続で上昇した。新型コロナ懸念に加え、主要生産国のベトナムが輸出禁止を導入するとの報道を受け備蓄の動きが加速した。FAOによると、ベトナムは禁輸報道をけん制したという。

FAOは2019年の穀物生産量予想を約27億2100万トンと、従来の27億1900万トンから小幅上方修正した。2018年からは2.4%程度の増加となる。ただし、2020年の小麦生産量予想は過去最高レベルだった前年並みの7億6300万トンに据え置いた。

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米テキサス州洪水の死者32人に、子ども14人犠牲 

ビジネス

アングル:プラダ「炎上」が商機に、インドの伝統的サ

ワールド

イスラエル、カタールに代表団派遣へ ハマスの停戦条

ワールド

EU産ブランデー関税、34社が回避へ 友好的協議で
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚人コーチ」が説く、正しい筋肉の鍛え方とは?【スクワット編】
  • 4
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 5
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    「詐欺だ」「環境への配慮に欠ける」メーガン妃ブラ…
  • 8
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 9
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 10
    「登頂しない登山」の3つの魅力──この夏、静かな山道…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 5
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 6
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 7
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 8
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 9
    砂浜で見かけても、絶対に触らないで! 覚えておくべ…
  • 10
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中