ニュース速報

ビジネス

中国の景況感、2月は過去最低 新型ウイルスの影響あらわ

2020年02月29日(土)13時12分

 2月29日、中国国家統計局が発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は35.7と、前月の50から大幅に低下し、過去最低を記録した。 写真は深センにあるロボット掃除機の工場。2019年8月撮影(2020年 ロイター/Jason Lee)

[北京 29日 ロイター] - 中国国家統計局が29日発表した2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は35.7と、前月の50から大幅に低下し、過去最低を記録した。

今回のPMIは、新型コロナウイルスの影響を全面的に反映する初めての経済指標。好不況を判断する節目の50を大幅に割り込み、新型ウイルスが中国経済に打撃を及ぼしていることが浮き彫りとなった。

ロイターがまとめアナリスト予想の46.0にも届かなかった。

内訳をみると、生産動向を示す指数が1月の51.3から27.8に低下。新規受注指数も51.4から29.3に落ち込んだ。

新型ウイルス対策で国内外の移動が制限されるなか、工場では人手不足が続き、労働市場は数年ぶりの水準まで需給がひっ迫している。

当局データによると、26日時点で生産を再開した中小企業は約30%にとどまっており、通常通りフル稼働していない企業もある。

キャピタル・エコノミクスの中国担当シニアエコノミスト、ジュリアン・エバンス・プリチャード氏は「中国の労働力不足が解消し始めたとしても、国外でウイルス感染が拡大すれば中間財の調達は難しくなり、一部企業はなかなか生産が平常に戻らないかもしれない」との見方を示した。

2月は非製造業PMIも1月の54.1から29.6に大きく落ち込んだ。

サービス部門は国内総生産(GDP)の約60%を占めるが、新型ウイルスは、運輸、観光、娯楽部門への打撃となっている。

成長のけん引役である建設活動の状況を示す指数は、1月の59.7から26.6に低下した。

(久保信博※)

ロイター
Copyright (C) 2020 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国、今後5年間で財政政策を強化=新華社

ワールド

インド・カシミール地方の警察署で爆発、9人死亡・2

ワールド

トランプ大統領、来週にもBBCを提訴 恣意的編集巡

ビジネス

訂正-カンザスシティー連銀総裁、12月FOMCでも
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 2
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃度を増やす「6つのルール」とは?
  • 3
    ヒトの脳に似た構造を持つ「全身が脳」の海洋生物...その正体は身近な「あの生き物」
  • 4
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    「不衛生すぎる」...「ありえない服装」でスタバ休憩…
  • 7
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 8
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    「腫れ上がっている」「静脈が浮き...」 プーチンの…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前に、男性が取った「まさかの行動」にSNS爆笑
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中