ニュース速報

ビジネス

アングル:見劣りする新興国株、不振のまま2010年代締めくくり

2019年12月28日(土)08時09分

 2010年代の新興国株式市場を振り返ると、力強く上昇して始まったものの、結局は先進国株にアンダーパフォームした。中国株の下落やトルコとアルゼンチンの債務危機、米中貿易摩擦などに圧迫された。写真はブラジルのサンパウロ証券取引所。7月25日撮影(2019年 ロイター/Amanda Perobelli)

[26日 ロイター] - 2010年代の新興国株式市場を振り返ると、力強く上昇して始まったものの、結局は先進国株にアンダーパフォームした。中国株の下落やトルコとアルゼンチンの債務危機、米中貿易摩擦などに圧迫された。

MSCI新興国株指数は2010年の初め以降で15%しか上昇していない。半面、MSCI全世界株指数はこの間に104%上がった。

国・地域別ではタイ、フィリピン、台湾がいずれも50%を超える上昇率で全体を主導。ギリシャ、トルコ、チェコがマイナスで、最も成績が悪かった。

2010年代を通じて、外国投資家のリスク志向が定期的に拡大と縮小を繰り返したため、新興国株への資金流入も乱高下した。例えば主要中央銀行が危機モードの緩和措置を巻き戻して米金利が上昇した局面では、資金流入が止まった。

とはいえ株価はおおむね、企業業績の伸びに連動してきた。MSCI新興国株指数銘柄の12カ月予想利益に基づく株価収益率(PER)は11月末時点が11.8倍、過去10年平均が10.9倍だ。最低は2011年10月の8.5倍、最高は18年1月の13.09倍だった。

PERの落ち込みが一番大きかったのは中国とポーランドで、割安化が進んだ。タイはPERが最も増大した。

配当利回り成績のトップはロシアとチェコ、最下位はインド。11月末時点のロシアの配当利回りは6.8%で、2010年初めの1.6%から著しく改善した。中国の配当利回りは1.3%から3.6%に上がった。

ロイターが新興国の4402社を分析したところでは、2010年に40%という堅調な伸びを示した増益率はその後鈍化した。コモディティー価格の下落、ハイテク製品に対する需要減速、米中貿易摩擦が重なった結果だ。

新興国企業の増益率は、2010年代の大半で先進国企業にかなわなかったことも分かる。

過去10年の増益率の中央値が10%ないしそれ以上と最も高かったのは、中国、メキシコ、タイの企業で、ハンガリー、エジプト、トルコの企業は中央値がマイナスになった。

新興国企業は債務を圧縮するとともに、輸出需要の弱まりを受けて事業拡大計画も縮小した。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

ニュース速報

ワールド

最後の香港総督パッテン氏、中国主席を批判「新冷戦引

ワールド

トランプ氏、G7延期を表明 ロシアや韓国など加え中

ビジネス

5月の中国製造業PMI50.6に低下、需要低迷で回

ワールド

米が9年ぶり有人宇宙飛行、初の民間船をISSへ

MAGAZINE

特集:コロナ不況に勝つ最新ミクロ経済学

2020-6・ 2号(5/26発売)

意思決定の深層心理から人間の経済行動を読み解く── コロナ不況を生き残るため最新の経済学を活用せよ

人気ランキング

  • 1

    ロンドンより東京の方が、新型コロナ拡大の条件は揃っているはずだった

  • 2

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に

  • 3

    デーブが語る、『テラハ』木村花さんの死は何が問題だったのか

  • 4

    過激演出で話題のドラマ、子役2人が問題行動で炎上 …

  • 5

    コロナ禍で制約を受けるアメリカの日常は、黒人にと…

  • 6

    韓国、アイドルファンも抗議デモ 愛すればこそ、裏切…

  • 7

    新型コロナの死亡率はなぜか人種により異なっている

  • 8

    ミネアポリスの抗議デモが暴動に......略奪から店舗…

  • 9

    気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言し…

  • 10

    ブラジルのコロナ無策は高齢者減らしのため?

  • 1

    「イギリスが香港のために立ち上がらないことこそ危機だ」パッテン元総督

  • 2

    東京都、新型コロナウイルス新規感染14人に急増 緊急事態宣言解除の目安、3項目中2項目が基準下回る

  • 3

    新型コロナの死亡率はなぜか人種により異なっている

  • 4

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がア…

  • 5

    ロンドンより東京の方が、新型コロナ拡大の条件は揃…

  • 6

    ギター人気復活を導く「スーパークール」な和製ギター

  • 7

    「NO JAPAN」に揺れた韓国へ「股」をかけて活躍した日…

  • 8

    北朝鮮の民間経済を圧迫する独裁者の国債

  • 9

    ブラジルのコロナ無策は高齢者減らしのため?

  • 10

    東京都、新型コロナウイルス新規感染15人 2桁台で3…

  • 1

    「集団免疫」作戦のスウェーデンに異変、死亡率がアメリカや中国の2倍超に

  • 2

    気味が悪いくらいそっくり......新型コロナを予言したウイルス映画が語ること

  • 3

    金正恩「死んだふり」の裏で進んでいた秘密作戦

  • 4

    スズメバチが生きたままカマキリに食べられる動画が…

  • 5

    過激演出で話題のドラマ、子役2人が問題行動で炎上 …

  • 6

    コロナ禍で露呈した「意識低い系」日本人

  • 7

    日本の「生ぬるい」新型コロナ対応がうまくいってい…

  • 8

    コロナ独自路線のスウェーデン、死者3000人突破に当…

  • 9

    ロックダウンは必要なかった? 「外出禁止は感染抑…

  • 10

    優等生シンガポールの感染者数が「東南アジア最悪」…

PICTURE POWER

レンズがとらえた地球のひと・すがた・みらい

英会話特集 グローバル人材を目指す Newsweek 日本版を読みながらグローバルトレンドを学ぶ
日本再発見 シーズン2
CCCメディアハウス求人情報
定期購読
期間限定、アップルNewsstandで30日間の無料トライアル実施中!
Wonderful Story
メールマガジン登録
CHALLENGING INNOVATOR
売り切れのないDigital版はこちら

MOOK

ニューズウィーク日本版別冊

絶賛発売中!