ニュース速報

ビジネス

訂正:人民元は適切な水準、通商摩擦が世界経済のリスク=中国人民銀総裁

2019年10月21日(月)12時59分

 10月19日、中国人民銀行の易綱総裁は、人民元相場は適切な水準にあると主張した。2017年撮影(2019年 ロイター/Thomas White)

[ワシントン 19日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は19日、人民元相場は適切な水準にあると主張した。また、通商摩擦の激化や政策の先行き不透明感は世界経済が直面している主なリスクだとの認識を示した。

総裁は、国際通貨基金(IMF)の運営方針を決める国際通貨金融委員会(IMFC)への声明で、中国や他の経済成長が著しい国の出資比率を高めるIMFの増資計画が失敗に終わったことに対し、中国は「深く失望している」と指摘した。

また、米国が8月に中国を為替操作国に認定したことに対して反論。8月上旬からの人民元安(訂正)は、貿易摩擦の激化を受けたボラティリティ―の高まりなど、市場の動きにより引き起こされたと指摘。人民元相場が上下双方に変動することを市場は一段と受け入れるようになっていると説明し、「経済ファンダメンタルズと市場の需給双方から判断し、人民元相場は適切な水準にある」と主張した。

米財務省は8月5日、人民元が1ドル=7元の節目を割り込み人民元安(訂正)が進んだことを受けて、中国を為替操作国に認定した。

また、トランプ政権が推し進める通商政策「アメリカファースト(第一主義)」を念頭に、「一部の国におけるポピュリズム(大衆迎合主義)と保護主義の台頭は、相互間の信頼を損ね、多国間で協力する意欲を低下させた」と批判した。

一方、トランプ大統領が10月11日に発表した米中間の「第1段階」の通商合意には言及しなかった。ただ、貿易摩擦が世界経済へ及ぼす影響への懸念を示し、「世界貿易や世界の産業の結びつき、サプライチェーン、バリューチェーンには混乱の兆しがみられる」とし、「貿易摩擦は市場の信頼感を冷え込ませ、それにより金融市場のボラティリティ―は一段と高まり、経済成長を圧迫する恐れがある」と強調した。

*本文3段落目と4段落目の「人民元高」を「人民元安」に訂正します。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

韓国クーパン創業者、顧客情報大量流出で初めて正式謝

ワールド

中国万科の社債37億元、返済猶予期間を30日に延長

ワールド

中国軍、台湾周辺で「正義の使命」演習開始 30日に

ビジネス

先行きの利上げペース、「数カ月に一回」の声も=日銀
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 3
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それでも株価が下がらない理由と、1月に強い秘密
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 6
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 7
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    2026年、トランプは最大の政治的試練に直面する
  • 10
    アメリカで肥満は減ったのに、なぜ糖尿病は増えてい…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中