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英金融機関のEU移転で通商協定の重要性低下も=報告

10月16日、英独立系シンクタンクのニューフィナンシャルは同日公表したリポートで、欧州連合(EU)域内に事業拠点を開設する英金融機関が増えているため、英国のEU離脱後の金融サービスに関する協定が結ばれても、英国、EUの双方にとって重要性は限られる可能性があるとの見方を示した。写真はロンドンで9月30日撮影(2019年 ロイター/Peter Nicholls)
[ロンドン 16日 ロイター] - 英独立系シンクタンクのニューフィナンシャルは16日公表したリポートで、欧州連合(EU)域内に事業拠点を開設する英金融機関が増えているため、英国のEU離脱後の金融サービスに関する協定が結ばれても、英国、EUの双方にとって重要性は限られる可能性があるとの見方を示した。
17日に始まるEU首脳会議(サミット)は、今月末に期限が迫る離脱を巡る協定の合意を目指している。
EUは英金融機関によるEU単一市場へのアクセスについて、同等性評価制度に基づいて決めると表明している。同制度では、EUと同等に厳格な規則を導入しているとEUが認定した国の金融機関は、EU市場へのアクセスが認められる。
リポートは、金融機関による拠点移転の動きが大規模であるため、 同等性の認定や、将来的な金融サービス合意から得られるメリットが「大幅に低下する」と分析した。
英金融機関はEU域内の事業拠点を通じ、世界の他市場での事業拡大に今より注力できる可能性があるとも指摘した。
リポートによると、EU域内への事業の一部移転や人員の配置転換、新会社の設立を実施した英企業は330社強となり、3月時点の集計から60社余り増えた。
移転先はダブリンが最も多く115社。次いでルクセンブルクが71社、パリが69社、フランクフルトが45社、アムステルダムが40社となっている。