ニュース速報

ビジネス

ユーロ圏の広範な景気拡大は継続へ、リスクも拡大=ドラギECB総裁

2018年11月09日(金)14時12分

 11月8日、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は、ユーロ圏の広範な景気拡大は継続する見通しだが、貿易摩擦や資産価格の上昇といったリスクも拡大しているとの認識を示した。写真は会見する同総裁。フランクフルトで10月に撮影(2018年 ロイター/Kai Pfaffenbach)

[ダブリン 8日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は8日、ユーロ圏の広範な景気拡大は継続する見通しだが、貿易摩擦や資産価格の上昇といったリスクも拡大しているとの認識を示した。

総裁はアイルランドでの議会公聴会で「一部セクターの指標や限られた調査の結果は予想よりも幾分弱めではあるが、入手可能な最新の情報はおおむね域内やアイルランドの広範な景気拡大が継続することを示している」と述べた。

量的緩和(QE)策を年末までに終了するとともに、少なくとも来年夏にかけて金利を過去最低水準に据え置く方針を確認する一方、政策ガイダンスは既定路線ではなく、見通しが悪化すれば変更は可能とした。

総裁は中銀の政策の範疇(はんちゅう)を超える種々の不透明要因が存在するとも指摘。「保護主義的な通商措置による影響はこれまでのところ非常に限られているかもしれないが、貿易摩擦の激化が信頼感を損ねている」と語った。また英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)や金融安定などの問題への注視が必要との見解を示した。

資産価格の上昇はユーロ圏全体に広がってはいないが、一部でリスクになっているとも指摘。これらのリスクへの対応策として金融政策は適切ではないとの見方を示した。

総裁は、インフレの先行きを見通すのに重視されている名目賃金の伸びについて、徐々に改善しており、恒久的要因が多くを占めるようになったと指摘。

「ここ6─12カ月のデータは賃金が徐々に上向いていることを示している。一時的要因もあるが、恒久的要因の影響が大きくなっている」と語った。

ECBのフォワードガイダンスについては「多くの選択の余地を確保している」と説明。「状況が悪化するならば常に期間を長くすることが可能で、入手した情報に適合する形でフォワードガイダンスを変更することは常に可能だ」と述べた。

また、量的緩和策を終了しても、別の複数の経路で景気を引き続き刺激することから、国債利回りの上昇を引き起こすことは予想していないと述べた。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米12月小売売上高、予想外の伸び悩み 個人消費に減

ワールド

USMCA巡る加との交渉困難に、インドネシアと近く

ビジネス

FRB金利は「中立」水準、当面据え置きの公算=クリ

ビジネス

パラマウント、WBD買収条件引き上げ 違約金など負
MAGAZINE
特集:習近平独裁の未来
特集:習近平独裁の未来
2026年2月17日号(2/10発売)

軍ナンバー2の粛清は強権体制の揺らぎか、「スマート独裁」の強化の始まりか

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 2
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...周囲を気にしない「迷惑行為」が撮影される
  • 3
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トランプには追い風
  • 4
    崖が住居の目の前まで迫り、住宅が傾く...シチリア島…
  • 5
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    変わる「JBIC」...2つの「欧州ファンド」で、日本の…
  • 8
    衆院選で吹き荒れた「サナエ旋風」を海外有識者たち…
  • 9
    【銘柄】「ソニーグループ」の株価が上がらない...業…
  • 10
    台湾侵攻を控えるにもかかわらず軍幹部を粛清...世界…
  • 1
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた実験室」に...抗生物質の「不都合」な真実とは
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 4
    がんの約4割は、日々の取り組みで「予防可能」...予…
  • 5
    ビジネスクラスの乗客が「あり得ないマナー違反」...…
  • 6
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 9
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 10
    台湾発言、総選挙...高市首相は「イキリ」の連続で日…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」と「フリース」に移った日
  • 4
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 5
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 6
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 7
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 8
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 9
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 10
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中