ニュース速報

ビジネス

日経平均は続落、米長期金利の上昇で警戒感 GDPも重荷

2018年05月16日(水)15時35分

 5月16日、東京株式市場で日経平均は続落した。米10年債利回りが約7年ぶりの水準まで上昇したことを受け、前日の米国株が下落した流れを引き継いだ。写真は東京証券取引所で2015年8月撮影(2018年 ロイター/Yuya Shino)

[東京 16日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落した。米10年債利回りが約7年ぶりの水準まで上昇したことを受け、前日の米国株が下落した流れを引き継いだ。1ドル110円台前半まで円安に振れた為替は支えとなったが、「適温相場」の継続に懐疑的な見方が強まった。北朝鮮情勢への警戒感や、日本の1─3月期国内総生産(GDP)が市場予想を下回る弱い内容となったことも相場の重しとなった。

TOPIXも続落。業種別では医薬品が上昇率トップ。三菱UFJ<8306.T>とゆうちょ銀行<7182.T>の下げを受け銀行セクターは軟調。下落率トップは鉱業だった。

寄り前に内閣府が発表した2018年1─3月期国民所得統計1次速報は、実質GDPが年率換算でマイナス0.6%となり、9四半期ぶりのマイナス成長となった。民間調査機関の事前予測はマイナス0.2%。予想を下回る結果となったことを受け、買い手控えムードが強まった。

また北朝鮮は16日、米韓軍事演習を理由に、予定していた韓国との閣僚級会談を突然中止した。米朝首脳会談の実現にも不透明感が強まり、投資家心理を冷やした。ただ石川製作所<6208.T>など防衛関連銘柄の一角には短期的な資金が向かった。

松井証券・シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎氏は「主力株はまだら模様となり売り一辺倒ではなかったが、米国債の発行量が増え、バランスシートの圧縮が進んでいくと米金利が下がりづらい環境となる」と指摘。「日本株への押し目買いも息切れ感がある。直近で新興国通貨は売られきたが、不安定な状況が続きそう」とみる。

個別銘柄では日新製鋼<5413.T>が急伸。新日鉄住金<5401.T>は16日、19年1月1日付で株式交換により日新製鋼を完全子会社化すると発表した。日新製鋼1株に対し、新日鉄住金0.71株を割り当てる。発表を受け東京証券取引所は日新製鋼の株式売買を一時停止。市場では株式交換比率をもとにした理論株価が意識され、売買再開後の日新製鋼株には買い注文が集まった。

半面、日本郵政<6178.T>が軟調。19年3月期の連結当期利益予想を前期比28.4%減の3300億円と15日に発表し、嫌気された。低金利下の運用難で、傘下のゆうちょ銀行の減益見込みが業績の重しとなる。

東証1部の騰落数は、値上がり890銘柄に対し、値下がりが1120銘柄、変わらずが73銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値      22717.23 -100.79

寄り付き    22730.12

安値/高値   22695.84─22796.14

TOPIX<.TOPX>

終値       1800.35 -4.80

寄り付き     1799.15

安値/高値    1798.58─1806.27

東証出来高(万株) 162672

東証売買代金(億円) 26028.29

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米、イスラエル向けF15戦闘機の契約発表 86億ド

ワールド

トランプ氏「台湾情勢懸念せず」、中国主席との関係ア

ワールド

ロ、ウクライナで戦略的主導権 西側は認識すべき=ラ

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタル基盤投資会社を買収 AI
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と考える人が知らない事実
  • 2
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    なぜ筋肉を鍛えても速くならないのか?...スピードの…
  • 5
    「サイエンス少年ではなかった」 テニス漬けの学生…
  • 6
    「すでに気に入っている」...ジョージアの大臣が来日…
  • 7
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    マイナ保険証があれば「おくすり手帳は要らない」と…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 10
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中