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GDP1─3月期年率-0.6%、内需頭打ちで2年ぶりに成長後戻り

2018年05月16日(水)09時53分

 5月16日、内閣府が発表した2018年1─3月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.2%、年率換算でマイナス0.6%となった。 2015年、都内で撮影(2018年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 16日 ロイター] - 内閣府が16日に発表した2018年1─3月期国民所得統計1次速報によると、実質国内総生産(GDP)は前期比マイナス0.2%、年率換算マイナス0.6%となった。15年10─12月期以来の9四半期ぶりのマイナス成長となり、これまでの高めの成長が一服した。内需がさえず、消費と設備投資の2本柱のほか、住宅投資もマイナス成長で、民間需要は総崩れとなった。他方で外需がプラス寄与度を維持し、下支えした。

<消費減速、天候要因も足かせに>

マイナス成長の要因となった内需の弱さのうち、民間最終消費支出は、前期比マイナス0.001%となった。長雨や台風でマイナスとなった昨年7─9月期以来2四半期ぶりに落ち込んだ。

携帯電話や自動車が下押ししたほか、再び厳冬や大雪という天候要因の影響を受けたとみられるが、航空旅客輸送や宿泊はプラス方向に働いており「天候要因の評価は難しい」(内閣府幹部)という。

野菜高やガソリン高も消費マインドに影響した可能性がある。ただ、物価を調整した実質雇用者報酬は前期比0.7%増と比較的高めの伸びとなっていることから、消費の調整局面をうかがわせる動きではないと、内閣府は見ている。

内需のもう一つの柱の設備投資は前期比マイナス0.1%と、6四半期ぶりに減少。通信機械がマイナスに寄与した。事前予測では、プラス予測だっただけにネガティブな結果となった。企業収益の増加や、人手不足に対応した合理化・省力化投資の拡大、オリンピック対応等による建設投資需要の増加、IT関連など研究開発投資などの好調が期待されていただけに、2次速報での改訂もあり得るため、幅を持ってみる必要がある。

また住宅投資は前期比マイナス2.1%と大幅な落ち込み。節税対策としてのアパート建築がこれまでトレンド以上に押し上げ要因となってきたが、その反動が続いており、3四半期連続のマイナスとなった。このほか、民間在庫変動の寄与度もマイナスだった。

他方で外需の寄与度はプラス0.1%だった。輸出・輸入とも従来の伸びより大きく鈍化。アジア向けにスマートフォンなど情報関連部品の輸出が振るわなかった一方、輸入も内需低迷でさほど増えなかった。結果として寄与度はプラスを維持し、内需のマイナスをカバーした形。

デフレーターは前年同期比プラス0.5%と3四半期連続でプラスだったが、前期比ではマイナス0.2%とやや弱まった。

<17年度政府年度見通しに届かず>

17年度の成長率は実質プラス1.5%、名目プラス1.6%となった。政府経済見通しでは実質1.9%、名目2.0%だったが、これに届かなかった。18年度は実質1.8%成長が政府見通しとなっており、達成には各四半期前期比0.65%のプラス成長が必要。

内閣府幹部は、1─3月期が2年ぶりのマイナス成長となったものの、国内の雇用環境や世界経済は良好であり、日本経済の緩やかな回復基調が崩れる心配は今のところ無いとみている。

<茂木経済再生相「景気緩やかに回復との認識変わりない」>

茂木敏充経済再生担当相は談話を発表し、「緩やかに回復しているとの認識に変わりはない」とコメントした。先行きについても「海外経済の回復が続く下、各種の政策効果もあいまって、雇用・所得環境の改善が続いている。このため消費や設備投資など民需を中心とした景気回復を見込んでいる」とした。同時に「海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある」と指摘した。

*内容を追加しました。

ロイター
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