ニュース速報

ビジネス

基準値通じた元安誘導、新興国通貨に対する元高抑制が狙いか

2018年05月02日(水)18時21分

 5月2日、中国がここ数週間にわたり基準値(中間値)の設定を通じて人民元安誘導に乗り出していることについて、市場では予想よりもはるかに積極的な動きになっているとの声がもっぱらだ。2017年6月撮影(2018年 ロイター/Thomas White/Illustration/File Photo)

[上海 2日 ロイター] - 中国がここ数週間にわたり基準値(中間値)の設定を通じて人民元安誘導に乗り出していることについて、市場では予想よりもはるかに積極的な動きになっているとの声がもっぱらだ。アナリストらは新興国通貨に対する元高を抑制することが狙いだと指摘している。

中国人民銀行(中央銀行)は4月半ば以降、一貫して対ドル基準値をトレーダーの予測モデルよりも元安に設定。人民銀が貿易加重ベースのCFETS人民元指数<.CFSCNYI>を安定させるために人民元相場を元安方向に動かそうとしているとの見方が強まっている。

基準値の元安設定が最近の米中貿易摩擦と直接的な関連があるとみる向きはほとんどいないものの、米国政府が通商問題で中国による為替操作を批判する中、中国政府にとっては敏感にならざるを得ない時期ではある。週内には米国の貿易代表団が北京を訪れる予定となっている。

一部の市場関係者は元安設定について、中国当局が24通貨のバスケットで構成されるCFETS人民元指数の上昇を制限しようとしていると指摘する。

招商銀行(上海)のシニア外為アナリスト、李劉陽氏は「中国政府はその他の新興国通貨に対して積極的に人民元を上昇させたくはないのだろう」と指摘。その他の新興国に対する中国の貿易競争力を維持する狙いがあるとみられる。

CFETS人民元指数がレンジ内に抑えられている場合、韓国ウォンやインドルピーといった新興国通貨に対して人民元が貿易上不利になっていないことを示唆する。

1週間に1度しか公表されないCFETS人民元指数は4月末時点で97.37と、2月前半以来の高水準となっている。

CFETS人民元指数における比重が最も大きいドルに対する人民元相場を元安方向に誘導することによって、人民銀行は同指数の上昇を抑制しようとしている可能性がありそうだ。

(※原文記事など関連情報は画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、米国のイラン介入に備え厳戒態勢=関係筋

ワールド

北朝鮮の金与正氏、ドローン飛来で韓国に調査要求

ワールド

米ミネアポリスで数万人デモ、移民当局職員による女性

ワールド

米、来週にもベネズエラ制裁さらに解除=ベセント氏
MAGAZINE
特集:AI兵士の新しい戦争
特集:AI兵士の新しい戦争
2026年1月13日号(1/ 6発売)

ヒューマノイド・ロボット「ファントムMK1」がアメリカの戦場と戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画をネット民冷笑...「本当に痛々しい」
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 5
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 6
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 7
    決死の嘘が救ったクリムトの肖像画 ──ナチスの迫害を…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    美男美女と話題も「大失敗」との声も...実写版『塔の…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 6
    次々に船に降り立つ兵士たち...米南方軍が「影の船団…
  • 7
    眠る筋力を覚醒させる技術「ブレーシング」とは?...…
  • 8
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 9
    ベネズエラの二の舞を恐れイランの最高指導者ハメネ…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 3
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 4
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 5
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 6
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切…
  • 7
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 8
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 9
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中