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ボーイング1─3月は57%増益、民間機好調で通年予想上方修正

2018年04月26日(木)08時38分

4月25日、米航空機大手ボーイングの第1・四半期決算は57%の増益となった。写真は2017年1月、ワシントン州エベレットで撮影(2018年 ロイター/Alwyn Scott)

[25日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングの第1・四半期決算(3月31日まで)は57%の増益となり、市場予想を大幅に上回った。また、好調な民間航空機の販売を背景に、通年のキャッシュフローとコア利益の見通しを上方修正した。

前日に決算を発表した米キャタピラーは原材料コストの上昇に懸念を示したが、ボーイングのマレンバーグ最高経営責任者(CEO)は大きな影響は見られないと指摘した。

決算発表を受けて株価は一時4.5%上昇。4.2%高で取引を終えた。

一部の年金費用などを除くコア利益は1株当たり3.64ドルと、前年同期の2.17ドルから増加。トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリストのコンセンサス予想の2.58ドルも大きく上回った。

総売上高は6.5%増の233億8000万ドルとなり、トムソン・ロイター・エスティメーツがまとめたアナリスト予想の222億6000万ドルを上回った。

コア営業利益率は10.7%と、前年同期の8.5%から上昇した。

通年については、キャッシュフローが150億─155億ドルになると予想。従来は約150億ドルとしていた。

また、通年のコア利益は1株当たり14.30─14.50ドルになるとし、従来予想の13.80─14.00ドルから上方修正した。

トランプ米政権がアルミニウムと鉄鋼に対する輸入制限措置を発動させたことで、国内での供給が阻害され、コストが上昇するなどの影響が出ている。

ただ、マレンバーグ最高経営責任者(CEO)は「現時点で(コスト面で)大きな影響は見られない」と述べた。また、米中摩擦については、双方が交渉による解決を模索しているようだとし、本格的な貿易戦争に発展する可能性は低いとの見方を示した。

モルガン・スタンレーのアナリスト、ラジーブ・ラルワニ氏は、通商摩擦を巡る問題は焦点になるとしながらも、「ボーイングは複数年にわたる契約に調印する傾向がある」と指摘。原材料価格などが航空機のコスト全体に占める割合はそれほど大きくないとの見方を示した。

第1・四半期は民間機の納入数が184機と9%増加した。昨年の航空機販売数は過去最高となる763機だった。

マレンバーグCEOは、需要の多い737型機について、エンジンや胴体などの供給がやや滞っているものの、現行の生産目標を達成できるとの見通しを示した。

次世代大型機777Xに関しても、2020年の納入に向けて予定通り開発が進んでいるとした。

またボーイングは、世界的に貨物機市場が好調なことから、2020年から767型機の生産を1月当たり2.5機から3機に引き上げると発表した。

*内容を追加します。

ロイター
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