ニュース速報

ビジネス

イオン、19年2月期は14.1%営業増益計画 投資はインフラに傾斜配分

2018年04月11日(水)20時04分

 4月11日、イオンは、2019年2月期の連結営業利益が前年比14.1%増の2400億円になるとの見通しを発表した。写真は千葉県内で2016年11月撮影(2018年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

[東京 11日 ロイター] - イオン <8267.T>は11日、2019年2月期の連結営業利益が前年比14.1%増の2400億円になるとの見通しを発表した。2期連続で最高益を更新する。総合スーパー(GMS)の改善が寄与する。投資はEC(電子商取引)やIT・物流に傾斜配分する方針。年間配当は4円増配の34円を計画している。

トムソン・ロイターのスターマイン調査がまとめたアナリスト8人の営業利益予測の平均値は2212億円となっており、会社計画はこれを上回った。

売上高に当たる営業収益は、同3.7%増の8兆7000億円を見込む。

GMSは、前期に実施した値下げにより1人当たりの買い上げ点数が増加、売り上げの改善に寄与している。また、プライベートブランド(PB)の「トップバリュ」も値下げの実施が売り上げ増につながった。18年2月期に7271億円だったトップバリュの売上高は、2020年2月期に1兆2000億円を目指すとした。イオンリテールの岡崎双一社長は「常により良い商品をできるだけ安くすることが、我々の存在価値。価格は常に最も努力した形」と述べ、できるだけ安い価格での提供を続ける考えを示した。

19年2月期は、21年2月期の営業収益10兆円、営業利益3400億円達成に向けた足場固めの年と位置付けている。グループ企業の重点管理や戦略的再編、IT・物流基盤の刷新を検討していく。

投資は5070億円(前期比5.2%増)を計画しており、店舗投資からEC、IT、物流などのインフラ投資に傾斜配分する。投資に占めるインフラ投資の比率は、前期の11%から今期は22%に拡大させる。

デジタルシフト加速の投資の一環として、米国ベンチャー企業「Boxed」への出資も発表した。Boxedは、2013年に設立。この出資によってイオンは、Boxedが有する人口知能(AI)を駆使した顧客への商品提案やデータ分析、物流のノウハウを活用し、ネット通販強化につなげる考え。若生信弥副社長は「Boxedは米国で完成されたシステムを持っている。これを導入することで、オンライン事業を一気にスピードアップさせる」と述べた。出資額は非開示。

さらに、岡田元也社長兼グループCEO(最高経営責任者)は「テクノロジーや技術を持つ企業への出資、参画、共同作業などをこれからさらに進めていく。急速にイオンの状況を変えていかなければいけないと考えている」と述べた。

18年2月期の連結営業収益は同2.2%増の8兆3900億円、営業利益は同13.8%増の2102億円となった。同社は3月28日に業績予想の上方修正を発表している。

GMSの改善が増益に寄与した。また、国際事業が黒字転換したことで、全セグメントが黒字化した。

業績の回復を受け、今月2日には、若手従業員約8万人とパート従業員約12万人の計20万人に1人1万円を還元すると発表している。

*内容を追加しました。

(清水律子)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

エヌビディア、第4四半期売上高見通しが予想上回る 

ビジネス

米ターゲット、既存店売上高3期連続マイナス 経営改

ワールド

トランプ氏、支持率低下認める 「賢い人々」の間では

ワールド

イスラエル軍、レバノン南部への攻撃強化 「ヒズボラ
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 3
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、完成した「信じられない」大失敗ヘアにSNS爆笑
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 6
    「これは侮辱だ」ディズニー、生成AI使用の「衝撃宣…
  • 7
    衛星画像が捉えた中国の「侵攻部隊」
  • 8
    ホワイトカラー志望への偏りが人手不足をより深刻化…
  • 9
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 10
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 6
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 7
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 8
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 9
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中