ニュース速報

ビジネス

仮想通貨580億円相当が流出、補償は検討中=コインチェック

2018年01月27日(土)12時38分

 1月27日、仮想通貨取引所大手のコインチェックは26日夜の会見で、約580億円分の仮想通貨NEMが外部からの不正アクセスで流出したと公表し、顧客に謝罪した。写真は仮想通貨のイメージ画。サラエボで2017年12月撮影(2018年 ロイター/Dado Ruvic)

[東京 27日 ロイター] - 仮想通貨取引所大手のコインチェックは26日夜の会見で、約580億円分の仮想通貨NEMが外部からの不正アクセスで流出したと公表し、顧客に謝罪した。補償は検討中だとし、具体的な言及はなかった。現時点での手元流動性の額についても言明しなかった。

会見の冒頭、和田晃一良社長は「本日、コインチェックで機能が停止する事態が発生した。皆さまをお騒がせしたことを深くお詫び申し上げる」と謝罪した。

大塚雄介COOによると、26日午前3時ごろ、コインチェックのNEMのアドレスに外部から不正アクセスがあり、5億2300万NEM、約580億円相当が流出。同11時25分にNEMの残高が異常に減っていることを検知した。

NEMの入出送金の停止、NEMの売買停止を経て、17時23分にビットコイン以外すべての通貨の売買を停止した。サービス復旧の見通しは立っていない。

コインチェックは、NEMの普及を推進するNEM財団やNEMを扱う国内外の取引所に流出したNEMの追跡や売買停止を要請。金融庁、警察庁に事態の推移を報告した。

大塚COOは、流出した約580億円相当のNEMは「顧客の資産だ」と話したが、被害に遭った人数は調査中だとした。NEM以外の仮想通貨については、ハッキングなどが起きていることは確認されていないと述べた。

コインチェックは、常時ネットワークに接続された「ホットウォレット」でNEMを管理していた。ネットから隔離した「コールドウォレット」で保管していなかったことについて「技術的な難しさと、それを行なうことができる人材が不足している」(和田社長)ことを理由に挙げた。

大塚COOは、被害に遭った顧客への補償については「現在検討している」と繰り返した。コインチェックの事業継続については「基本的には継続する形で、今は検討している」と述べた。

今後、他社による救済や他社と資本提携する可能性については「選択肢の1つかもしれないが、どうするかは議論している最中」だと述べた。

同社の手元流動性について、顧問弁護士の堀天子氏は、現時点の財務情報を即時に出せる状況にはないと述べるにとどめた。

コインチェックは金融庁に仮想通貨取引所としての登録を申請中。今回の不正流出について、「顧客への対応を最優先に検討すべきだ」(幹部)と話している。

*写真を付け、カテゴリーを追加して再送します。

(和田崇彦 編集:田巻一彦)

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

金総書記、プーチン氏に新年メッセージ 朝ロ同盟を称

ワールド

タイとカンボジアが停戦で合意、72時間 紛争再燃に

ワールド

アングル:求人詐欺で戦場へ、ロシアの戦争に駆り出さ

ワールド

ロシアがキーウを大規模攻撃=ウクライナ当局
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 7
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 8
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 9
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 10
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 6
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 7
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中