ニュース速報

ビジネス

日産の10―12月営業益24%増、北米好調 為替影響はマイナスに

2016年02月10日(水)20時51分

2月10日、日産自動車が発表した2015年4―12月期の連結決算によると、営業利益は前年同期比40.6%増の5875億円だった。都内の販売店で撮影(2016年 ロイター/YUYA SHINO)

[横浜市 10日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>が10日発表した2015年10―12月期の連結営業利益は前年同期比23.5%増の1926億円だった。為替の影響はマイナスに働いたものの、購買コスト削減などが大きく寄与。北米市場での販売も好調だった。16年3月期の通期業績予想は据え置いた。

トムソン・ロイターのスターマイン調査によると、アナリスト10人の10―12月期営業利益の予測平均値は1787億円で、実績はこれを上回った。

10―12月期の営業利益に対し、販売の伸びや利益率の高い車が売れたことなどで58億円、購買コスト削減などで537億円のプラス効果があった。ただ、為替の影響は268億円の押し下げ要因となった。

上期まではプラスだった為替の影響が10―12月期にはマイナスに働いた背景について、田川丈二常務執行役員は会見で「ドル円は比較的プラスの傾向が続いているが、その他通貨、新興国を中心にマイナスがある。大きいところだと(対ドルでの)メキシコペソ」と指摘。カナダドル、豪ドル、ロシアのルーブルなどの通貨安も響いたと説明した。

10―12月期の世界販売は同1.7%増の127万5000台で、このうち北米は同12.2%増の49万5000台だった。スポーツ型多目的車(SUV)「ローグ」などが好調だった。

<4―12月期売上高、純利益は過去最高>

同時に発表した15年4―12月期の営業利益は前年同期比40.6%増の5875億円だった。売上高は同10.6%増の8兆9430億円、純利益は同33.7%増の4528億円で、ともに過去最高となった。世界販売は同1.4%増の約389万台だった。ロシアを除く欧州や北米が堅調だった。

田川常務は「好調な北米と西欧が、これまでほどにはプラス効果が期待できない円ドルレートを含む不安定な為替と、複数の新興市場の低迷によるマイナス要因を補った」と述べた。

16年3月期通期の連結業績予想は従来通り。売上高は前期比7.7%増の12兆2500億円と過去最高見通し。純利益は同16.9%増の5350億円で過去最高を10年ぶりに更新する見込み。営業利益予想は同23.8%増の7300億円。トムソン・ロイターのスターマイン調査によると、アナリスト27人の通期営業利益の予測平均値は7616億円となっている。

*内容を追加しました。

(白木真紀)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米肥満薬開発メッツェラ、ファイザーの100億ドル買

ワールド

米最高裁、「フードスタンプ」全額支給命令を一時差し

ワールド

アングル:国連気候会議30年、地球温暖化対策は道半

ワールド

ポートランド州兵派遣は違法、米連邦地裁が判断 政権
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 9
    なぜユダヤ系住民の約半数まで、マムダニ氏を支持し…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 9
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 10
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中