ニュース速報

世界の大手銀、持続可能な金融への取り組み不十分=報告書

2019年10月03日(木)14時57分

[ワシントン 3日 ロイター] - 米ワシントンの研究機関ワールド・リソース・インスティテュート(WRI)が3日公表した報告書で、世界の大手銀行の多くが依然として、温暖化対策として持続可能な金融に取り組む方針を表明せず、化石燃料への融資を続けていることが分かった。

WRIは、世界の大手民間銀行50行が公に表明する環境問題への対応を比較・分析するツールを明らかにした。それによると、持続可能エネルギー事業への融資を表明している銀行は7月時点で50行中23行にとどまった。

また、これら23行が2016─18年に実施した化石燃料事業への融資(年平均)は、持続可能事業への融資表明額(年換算)の2倍近くに上った。持続可能事業融資の目標額(年換算)が化石燃料関連取引への融資額を上回った銀行はわずか7行だった。

WRIの持続可能投資責任者ジュリア・クリスチャンソン氏によると、持続可能事業への融資を表明している銀行のうち、進展状況を報告する透明性のある仕組みを設けている銀行は半数に満たなかった。

前週開かれた国連「気候行動サミット」を前に、ABNアムロなど複数の銀行は、気候変動への対応を評価するため投資の透明性を高める措置を導入すると明らかにした。

ドイツ銀行やシティグループ、バークレイズ[BARCR.UL]など130を超える銀行で構成する別のグループも、国連が後押しする責任ある銀行の原則を採用すると発表した。

ただクリスチャンソン氏は「銀行は目標を高め、気候変動対策に関与するとともに、野心的で透明性のある取り組みを打ち出す必要がある」と指摘した。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米国で感謝祭休暇期間のバス・鉄道利用急増、航空便の

ワールド

英国、公共サービスのサイバー攻撃対策を強化へ

ワールド

豪中銀、金融政策が制約的か議論 今後のスタンスに重

ワールド

米軍のカリブ海攻撃、国際法違反であり懸念=仏外相
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【銘柄】エヌビディアとの提携発表で株価が急騰...か…
  • 10
    【クイズ】韓国でGoogleマップが機能しない「意外な…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中