ニュース速報

米中通商交渉、10月初旬に再開 中国「大きな進展に向け尽力」

2019年09月06日(金)08時36分

[ワシントン/北京 5日 ロイター] - 米中両国は5日、閣僚級の通商交渉を10月初旬にワシントンで開催することで合意した。両国のハイレベルの対面交渉は、物別れに終わった7月下旬の通商協議以来初めて。9月半ばに準備交渉を開始する。

中国商務省がウェブサイトに掲載した声明によると、中国の劉鶴副首相はこの日、ライトハイザー米通商代表部(USTR)代表、ムニューシン米財務長官と電話協議を実施。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁も協議に参加した。10月の会議に向け両国の通商担当者らが9月半ばに準備協議を行うほか、双方が良好な環境づくりに取り組むことで合意した。

商務省の高峰報道官は「両国の閣僚級電話協議は非常に良かった。10月初旬の会議で大きな進展が得られるよう尽力する」とした上で、中国側は貿易戦争の拡大に反対すると強調した。

USTRの報道官も声明を出し、ライトハイザー代表とムニューシン長官が劉副首相との電話協議で「数週間以内に」ワシントンで閣僚級通商協議を実施することで合意したと発表。閣僚級協議に先立ち「意味ある進展に向けた地ならしのため、9月半ばに次官級会合を開催する」と明らかにした。

米国市場ではこの日、株価が大幅に値上がりしたものの、市場関係者らは通商協議の行方に神経をとがらせており、今後も振れの大きい相場展開が予想される。

トランプ米大統領は3日、中国との通商協議は良好に進展しているが、交渉が自身の2期目まで持ち越しとなれば、交渉は一層困難になると強調し、中国に早期妥結を迫っていた。

中国国営紙の環球時報のエディター、胡錫進氏はツイッターに「個人的には、貿易戦争に疲弊した米国が中国の意志を粉砕するのをもはや望んでいない可能性があると考えている。両国間の(協議の)急進展の可能性が高まった」と投稿した。

一方、米商務省の元高官であるウィリアム・ラインシュ氏は、通商協議が2020年も続く可能性があると指摘。これは中国が改革を法律に成文化すべきという米国の要求など、主な問題で両国の隔たりが依然大きいためという。

現在は戦略国際問題研究所(CSIS)に所属する同氏は「トランプ大統領は弱気の合意を受け入れるか貿易戦争を継続するか選択しなければならない」と指摘。「大統領選直前の2020年9月か10月に合意に達するのがポイントだ。トランプ氏がヒーローのように見えることになる」と述べた。

*内容を更新しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

南アG20サミット、「米政府関係者出席せず」 トラ

ビジネス

中国10月物価統計、PPIは下落幅縮小 CPIプラ

ワールド

フィリピン、大型台風26号接近で10万人避難 30

ワールド

再送-米連邦航空局、MD-11の運航禁止 UPS機
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216cmの男性」、前の席の女性が取った「まさかの行動」に称賛の声
  • 3
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 4
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 9
    レイ・ダリオが語る「米国経済の危険な構造」:生産…
  • 10
    「非人間的な人形」...数十回の整形手術を公表し、「…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 6
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 7
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 8
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 9
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 10
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中