ニュース速報

ドル106円前半、調整売りや米長期金利低下受け下落

2019年08月30日(金)15時32分

[東京 30日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、小幅にドル安/円高の106円前半。月末の実需筋の売買をこなしたドルは一旦106円半ばまで強含んだが、午後に入って米長期金利の低下に連れ安となったほか、北米市場の3連休を控えた調整売りにも押された。

この日は月末で実需筋のドル買いが先行するとみられていたが、需給はほぼ拮抗したもよう。ドル/円は株高には反応薄だったが、米長期金利低下には歩調を合わせる格好でじり安となった。

「週明け月曜は北米市場が休場となるため投機筋の動きも全般に鈍い」(外国銀)とされるなか、午後はポジション調整とみられる売りがドルの上値を重くした。

前日のニューヨーク市場では、米中が来月に通商協議の再開を検討していると伝わったことで、貿易戦争を巡る懸念が後退しドルが買い戻されたが、東京市場では「トランプ大統領がいつまた全く異なることを言うか分からないので、安心できない」(外為アナリスト)との声も聞かれた。

人民元の対ドル基準値は1ドル=7.0879元と、前営業日の7.0858元に比べ若干の元安水準に設定された。基準値は2008年3月14日以来の元安水準だが、市場では、中国人民銀行が元安のテンポが緩やかになるように制御しているとの見方が浸透しており、動揺はみられなかった。

米国債市場では、2年債と10年債の利回りが逆転する逆イールド現象が続いた。

2年―10年スプレッド(利回り格差)は午後3時時点でマイナス2.0ベーシスポイント(bp)付近。朝方一時マイナス3.7bpまで拡大した。

市場が注目する同スプレッドは、14日にマイナス圏に落込んだあと、28日にマイナス6.5bpまで拡大し、金融市場で景気後退懸念を強めた。

一方、市場の注目度が相対的に低い3カ月―10年スプレッドは5月下旬から逆転している。

サンフランシスコ連銀のレポート(2018年3月5日公表)によると、3カ月ー10年のスプレッドが逆転すると、その後6カ月から12カ月先に米国経済はリセッションに突入してきた。

この逆イールドは1955年以来9回のリセッションの直前に起き、過去のリセッション全てを正確に予想した。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 106.36/38 1.1046/50 117.50/54

午前9時現在 106.43/45 1.1056/60 117.71/75

NY午後5時 106.50/53 1.1055/59 117.75/79

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米移民当局、レビット報道官の親戚女性を拘束 不法滞

ワールド

IMF、ウクライナ向け支援巡り実務者レベルで合意 

ワールド

ウクライナ和平交渉担当高官を事情聴取、大規模汚職事

ビジネス

米ホワイトハウス付近で銃撃、州兵2人重体 トランプ
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 5
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 6
    がん患者の歯のX線画像に映った「真っ黒な空洞」...…
  • 7
    ミッキーマウスの著作権は切れている...それでも企業…
  • 8
    あなたは何歳?...医師が警告する「感情の老化」、簡…
  • 9
    ウクライナ降伏にも等しい「28項目の和平案」の裏に…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 9
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中