ニュース速報

アングル:米大統領の「買収提案」で注目、グリーンランドが狙う実利

2019年08月28日(水)16時02分

[コペンハーゲン 27日 ロイター] - トランプ米大統領が購入に意欲を示したことから世界中の注目の的になっているグリーンランドは、これを機に投資が増加するのではないかと期待している。

グリーンランドの海運会社ロイヤル・アークティック・ラインのハメケン最高経営責任者(CEO)は「グリーランドのような地域で投資が刺激されると、鉱業や環境、インフラに魔法のような出来事が起こりうる」と話す。

トランプ大統領によるデンマーク領グリーンランドの購入構想は今月に入って浮上。トランプ氏は9月上旬にデンマークを訪問してグリーランド首脳とも会談する予定だったが、デンマークのフレデリクセン首相がグリーランド購入構想に不快感を示したことから、トランプ氏は先週、デンマーク訪問を取りやめると発表した。

ロイヤル・アークティック・ラインのハメケンCEOは、米国からの投資増に期待感を示す。同CEOによると、グリーランドでは17の町と民生用国際空港との間に道路がないという。CEOは「米国が世界の一部地域への関心をかき立てると、米国の民間企業からの投資が増えることが、過去の事例からも明らかだ」と述べた。

<火種は基地問題>

グリーンランドには米軍基地があり、弾道ミサイル早期警戒システムのレーダーも設置。米国にとって軍事的にも重要性が高い。

米国はグリーンランド北西部チューレに空軍基地を持っているが、1951年にデンマークと結んだ条約により、賃料は支払っていない。

グリーランドは長らく、米軍基地からより多くの見返りを得たいと望んできた。ただ、米軍は2014年、米軍基地に40年以上にわたってサービスを提供してきたグリーンランド・コントラクターズとの契約を解除。さらに2017年には、基地への資材輸送の委託企業に、グリーンランドのロイヤル・アークティック・ラインではなく米国の企業を選定したことから、地元から不満の声が噴出した。

グリーンランドの外交担当当局者は今週、ロイターのインタビューで「米軍のプレゼンスから最大限に利益を得たいと思うのは当然。われわれは領土で防衛協力に便宜を図っているのだから」とコメントした。

関係の冷え込みを背景に、グリーンランドとデンマーク、米国が毎年開催していた合同委員会は2014年以降、凍結されている。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イラン国会議長、米国との協議実施を否定

ビジネス

ユーロ圏消費者信頼感指数、3月は‐16.3 原油高

ワールド

米エネルギー長官、戦略石油備蓄の追加放出は「可能性

ワールド

イランとの予備的協議は「非常に良好」、イラン側も和
MAGAZINE
特集:BTS再始動
特集:BTS再始動
2026年3月31日号(3/24発売)

3年9カ月の空白を経て完全体でカムバック。世界が注目する「BTS2.0」の幕開け

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    レストラン店内で配膳ロボットが「制御不能」に...店員も「なすすべなし」の暴走モード
  • 2
    「胸元を強調しすぎ...」 米セレブ、「目のやり場に困る」黒レースのドレス...豊胸を疑う声も
  • 3
    イランは空爆により核・ミサイル製造能力を「喪失」した──イスラエル首相
  • 4
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 5
    スウェーデン次期女王ヴィクトリア皇太子、陸軍訓練…
  • 6
    「カメラの目の前」で起きた爆発の瞬間...取材中の記…
  • 7
    三笠宮彬子さまも出席...「銀河の夢か、現実逃避か」…
  • 8
    【クイズ】2年連続で「世界幸福度ランキング」で最下…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    100年の時を経て「週40時間労働」が再び労働運動の争…
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 5
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ…
  • 9
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 10
    「マツダ・日産・スバル」が大ピンチ?...オーストラ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中