ニュース速報

独GDP、4-6月期再びマイナス 経済相「景気後退避けられる」

2019年08月15日(木)00時11分

[ベルリン 14日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が14日発表した第2・四半期の国内総生産(GDP)速報値は、前期比0.1%減少となった。前四半期は0.4%増と3四半期ぶりにプラス成長を回復していたが、再びマイナスに転じた。貿易戦争や外需の減少で輸出が落ち込んだことが響いた。アナリストの予想も前期比0.1%減だった。

INGのアナリスト、カーステン・ブルゼスキ氏は「ドイツ経済の黄金の10年が終焉(しゅうえん)を迎えたことがはっきりした。貿易摩擦や世界経済を巡る不確実性、自動車業界の苦境がここにきて経済を直撃している」と述べた。

第2・四半期は、季節調整前の前年比で横ばい。日数調整後の前年比では0.4%増で、第1・四半期の0.9%増から伸びが鈍化したものの、アナリストの予想(0.1%増)は上回った。

経済省は、英国が欧州連合(EU)から強硬離脱する公算が大きい中で見通しはさえないと表明した。アルトマイヤー経済相はGDP統計が警鐘を鳴らしていることは事実だが、景気後退(リセッション)に陥っているわけではないとし「経済は軟調局面にあるが、景気後退ではなく、適切な対策を講じれば景気後退入りを回避できる」と強調した。

政府報道官は、政府として現時点で経済安定に向け追加策を講じる必要はないと認識していると表明した。

連邦統計庁は輸入以上に輸出が前期比で大きく落ち込み、成長を下押ししたと説明した。下支え役は内需で、個人消費、政府支出、固定資産形成が前期比でプラスとなった。建設業が第1・四半期の成長を押し上げたが、第2・四半期は低迷した。

ウニクレディトのアナリスト、アンドレアス・リース氏は「この1年のドイツ経済はほふく前進だった」と述べ、輸出業者にとって不確実要因が多く今年後半の回復は見込みづらいと指摘した。

GDP速報値を受け、ドイツ10年債利回りは、過去最低のマイナス0.623%に低下した。

キャピタル・エコノミクスのアンドリュー・ケニンガム氏は「ドイツは景気後退の瀬戸際だ」と指摘。英国の合意なき欧州連合(EU)離脱が現実になれば、輸出業者がさらに大きな打撃を受ける恐れがあるとの見方を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米メディケア、15品目の薬価交渉で36%削減 27

ビジネス

豪CPI、10月は前年比+3.8%に加速 緩和サイ

ワールド

訂正-FRB議長人選、2次面接終了へ クリスマス前

ビジネス

午前の日経平均は続伸、一時1000円超高 米株高を
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 3
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後悔しない人生後半のマネープラン
  • 4
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 7
    放置されていた、恐竜の「ゲロ」の化石...そこに眠っ…
  • 8
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 9
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 10
    7歳の娘の「スマホの検索履歴」で見つかった「衝撃の…
  • 1
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 2
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 3
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 4
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネ…
  • 7
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 10
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦…
  • 8
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中