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ユーロ圏の統合深化へ取り組みのさらなる推進必要=欧州委
[ブリュッセル 12日 ロイター] - 欧州委員会は12日、各国政府はユーロ圏の統合深化に向けた取り組みを改めて推進すべきだとし、特にほとんど進展していない預金保険制度の創設に言及した。
預金保険制度やユーロ圏の共通予算など統合深化に向けた案を巡り、13日にはユーロ圏財務相会合、14日には欧州連合(EU)財務相理事会の開催が予定されており、EUの執行機関である欧州委が討議を前に新たな推進を呼び掛けた。
財務相らは、ユーロ圏の救済基金の対象拡大に向けた改革での合意や単一資本市場を構築する計画の推進も目指す。
これらの統合深化案は、EU首脳が財務相に合意を形成するよう求めてから1年が経過した今も、完全に成立したものは一つもない。
欧州委のドムブロフスキス副委員長は、記者会見で「景気改善に伴い行動意欲が弱まっている」と指摘。「EUは危機を通して構築されたといわれるが、そうである必要はない」と語った。
各国はとりわけ預金保険制度の創設を巡り対立している。ドイツは、現時点で制度が導入されれば、ドイツがイタリアの銀行危機を巡って同国の預金者を救済することになると懸念している。
ドイツは、イタリアやギリシャ、ポルトガルなどの銀行が2010─15年のソブリン債務危機後も依然として抱える帳簿上のリスクを低減することが先決との立場だ。
ドムブロフスキス副委員長は「残念ながらこの計画は引き続き行き詰まっている。具体的な進展はない」と語った。その上で、銀行の不良債権は大幅に減少していると指摘した。