ニュース速報

イールドカーブのフラット化、金融政策の目的ではない=若田部日銀副総裁

2019年05月16日(木)13時17分

[東京 16日 ロイター] - 日銀の若田部昌澄副総裁は16日午前の参議院財政金融委員会で、日銀による金融緩和政策のもとでイールドカーブのフラット化が進行していることについて、フラット化は金融緩和の目的ではないとし、デフレからの脱却局面ではスティープ化していくことを期待している、と語った。

若田部副総裁は、大規模な金融緩和による長短金利差の縮小が地方銀行を中心とした金融機関の経営を圧迫しているとの指摘に対し、金融緩和の目的はデフレからの脱却と述べ、「その結果としてイールドカーブがフラット化しているが、これは(金融緩和の)目的ではない」と回答。「デフレから脱却する局面では、イールドカーブがスティープなものになっていくことを政策効果として期待している」と続けた。

また、マイナス金利政策に関し、イールドカーブ・コントロール(YCC)政策を実施している中で、「日銀としてマイナス金利が問題であるということを申し上げたことはない」と述べた。

低金利の長期化に伴う金融システムへの影響について「金融システムの安定性には万全の注意を払い、配慮する」としながらも、日銀として「物価の安定が最大の目標だ。デフレから脱却するためには何が望ましいかを考え、現在の量的・質的金融緩和(QQE)を行っている」と指摘。QQEは「現状において、ベネフィットがコストを上回っている」と強調した。

*内容を追加しました。

(伊藤純夫)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

豪が16歳未満のSNS禁止措置施行、世界初 ユーチ

ワールド

ノーベル平和賞受賞マチャド氏の会見が中止、ベネズエ

ワールド

カンボジア高官「タイとの二国間協議の用意」、国境紛

ワールド

メキシコ、9日に米当局と会談へ 水問題巡り=大統領
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【クイズ】アジアで唯一...「世界の観光都市ランキング」でトップ5に入ったのはどこ?
  • 3
    中国の著名エコノミストが警告、過度の景気刺激が「財政危機」招くおそれ
  • 4
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 5
    「韓国のアマゾン」クーパン、国民の6割相当の大規模情…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「1匹いたら数千匹近くに...」飲もうとしたコップの…
  • 8
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    ゼレンスキー機の直後に「軍用ドローン4機」...ダブ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 5
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 6
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 7
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 8
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 9
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 10
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 9
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中