ニュース速報

中国新築住宅価格、4月は前月比+0.6% 大都市で特に値上がり

2019年05月16日(木)13時56分

[北京 16日 ロイター] - 中国の新築住宅価格は、4月に底堅い伸びを示した。ただ、大幅な値上がりで当局が今後、一部の都市で不動産バブル回避に向けた措置を講じる可能性がある。

中国国家統計局が発表したデータに基づくロイターの算出によると、4月の主要70都市の新築住宅価格は、平均で前月比0.6%上昇した。

前年比では10.7%上昇。3月の10.6%上昇から伸びがやや加速した。

景気減速を受けて一部の地方政府が住宅購入規制を緩和する中、中国の不動産市場はこのところ回復の兆しをみせている。当局が銀行に融資拡大や金利引き下げを求めていることも市場心理の改善に寄与している。

米中貿易摩擦や消費者心理の悪化で製造業や小売りセクターが打撃を受ける中、不動産市場の底堅さは中国経済をある程度支える緩衝材の役割を果たすとみられる。

新築住宅価格は48カ月連続の上昇を記録した。70都市中67都市で上昇し、前月の65から増加した。

北京、上海、深セン、広州の価格は前月比0.6%上昇し、伸び率は3月の0.2%を上回った。

2級都市の価格は0.8%上昇。前月は0.6%上昇だった。3級都市は0.5%上昇し、前月の0.7%から鈍化した。

センタラインのアナリスト、Zhang Dawei氏は「一連の預金準備率引き下げの効果が不動産市場に現れつつある」との見方を示した。

ムーディーズは先月、不動産価格が大幅に上昇しており、規制当局がさらに政策を緩和する可能性は低いと指摘。不動産価格の上昇率は年内に鈍化するとの見通しを示した。

一部の都市は、過熱の兆候を踏まえて、追加の規制を打ち出し始めている。

センタラインのZhang氏も、政府が不動産価格の過度の上昇を容認する可能性は低いとし「市場は温かい春に突入できるが、政府が真夏への突入を容認することはない」との見方を示した。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル一時155円台前半、介入の兆候を

ビジネス

米国株式市場=S&P上昇、好業績に期待 利回り上昇

ワールド

バイデン氏、建設労組の支持獲得 再選へ追い風

ビジネス

米耐久財コア受注、3月は0.2%増 第1四半期の設
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 2

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 3

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」の理由...関係者も見落とした「冷徹な市場のルール」

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 6

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 7

    イランのイスラエル攻撃でアラブ諸国がまさかのイス…

  • 8

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 9

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 10

    コロナ禍と東京五輪を挟んだ6年ぶりの訪問で、「新し…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 10

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中