ニュース速報

米大統領の側近もメキシコ国境閉鎖の可能性を警告、不法移民対策で

2019年04月01日(月)11時32分

[ワシントン 31日 ロイター] - トランプ米大統領の側近らは31日、不法移民対策としてメキシコとの国境を閉鎖する可能性についてあらためて警告した。トランプ大統領は中米諸国がメキシコ経由で米国に移民を送り込んでいると批判しており、これら諸国への援助削減も前日発表されている。

トランプ大統領は29日、メキシコが直ちに米国への不法入国者を完全に止めなければ、両国国境の少なくとも大部分を閉鎖する可能性があると述べている。

トランプ氏は、中米のエルサルバドル、グアテマラ、ホンジュラスが米国を目指して北上する移民集団(キャラバン)を意図的に形成していると批判しており、米政府は30日に同3国への援助削減を発表した。

国境閉鎖が現実となれば、合法的な人やモノの流れに支障が出る可能性がある。

ホワイトハウスのマルバニー首席大統領補佐官代行は米ABCテレビの番組で、国境警備強化や移民関連法の改正に向けて野党・民主党の支持が得られないため、トランプ大統領に残された選択肢は限られていると説明。

「大統領は制約があるなか、できる限りのことを行うつもりだ。それが国境検問所の閉鎖という意味なら、大統領はそれを実施する意向だ」と述べた。「われわれには国境警備が必要で、でき得る最善のことを行う」とした。

コンウェイ大統領顧問は米FOXニュースの番組で国境での状況は「限界に達して」おり、トランプ氏による国境閉鎖の脅しは真剣なものだと強調。「無論、はったりではない。大統領の言うことは真面目に受け止めていい」と述べた。

マルバニー、コンウェイ両氏とも国境封鎖の時期など詳細については明らかにしなかった。

トランプ大統領は31日のツイッターへの投稿で、民主党の責任で「ばかげた移民収容制度と大きな法の抜け穴が米移民制度の中心であり続けている」と批判。

「メキシコも同様に何もしておらず、われわれの国にとって非常に悪い組み合わせだ。国土安全保障はとっても親切だが、長くは続かないだろう!」としているが、詳しい説明はない。

ニールセン国土安全保障長官は28日付の議会への書簡で、親と離れた子供の移民を本国に送還し、移民申請中の家族を一緒に収容し、中米諸国の難民申請希望者に本国での申請を可能にするため、法律の文言に関する提案を近く行うと表明していた。

中米諸国への援助削減について、民主党は状況を悪化させるだけだと批判。

上院民主党ナンバー2のダービン議員はNBCニュースの番組で「中米で何が起きているかに目を向ける必要がある」として、援助削減は問題の解決につながらないと指摘。また、国境閉鎖の警告については「完全に非現実的」と述べてけん制した。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

英インフレ率目標の維持、労働市場の緩みが鍵=ハスケ

ワールド

ガザ病院敷地内から数百人の遺体、国連当局者「恐怖を

ワールド

ウクライナ、海外在住男性への領事サービス停止 徴兵

ワールド

スパイ容疑で極右政党議員スタッフ逮捕 独検察 中国
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 2

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の「爆弾発言」が怖すぎる

  • 3

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバイを襲った大洪水の爪痕

  • 4

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 8

    冥王星の地表にある「巨大なハート」...科学者を悩ま…

  • 9

    「なんという爆発...」ウクライナの大規模ドローン攻…

  • 10

    ネット時代の子供の間で広がっている「ポップコーン…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 6

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人…

  • 7

    「毛むくじゃら乳首ブラ」「縫った女性器パンツ」の…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    ダイヤモンドバックスの試合中、自席の前を横切る子…

  • 10

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中