ニュース速報

米個人消費、1月0.1%増にとどまる 物価圧力も弱く

2019年03月30日(土)03時00分

[ワシントン 29日 ロイター] - 米商務省が29日発表した1月の個人消費支出(季節調整済み)は前月比0.1%増と、市場予想の0.3%増を下回った。所得も緩慢な伸びとなった。米経済は2018年第4・四半期に減速したが、一段と冷え込んでいるもようだ。物価上昇の前年比は2年4カ月ぶりの小幅な伸びとなった。

個人消費は米経済の3分の2以上を占める。

18年12月の数字は当初発表の0.5%減から0.6%減へ下方改定された。

キャピタル・エコノミクスのシニア米国エコノミスト、アンドリュー・ハンター氏は「財政面での支援が弱まり、金利上昇が大きな負担となる中で、内需が足元で鈍化しているのは明らか。鈍化傾向は続くだろう」と述べた。

1月のインフレ調整後の実質消費支出は0.1%増だった。前月は0.6%減少していた。

1月の個人消費支出の内訳は、モノが0.2%減。前月は2.4%減少していた。減少は2カ月連続。自動車の購入減少が響いた。

サービスは0.2%増。前月は0.3%増だった。

需要が弱含む中で物価上昇圧力も控えめだった。個人消費支出(PCE)価格指数は前月比は0.1%低下と、前月の0.1%上昇からマイナスへ転じた。

1月の前年同月比は1.4%上昇と、16年9月以来の小幅な伸びとなった。前月は1.8%上昇していた。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.1%上昇と、前月の0.2%上昇から減速した。1月の前年同月比は1.8%上昇と、前月の2.0%上昇から減速。コアPCEの前年同月比はFRBが物価の目安としている。18年3月には12年4月以来初めてFRBの目標である2.0%を付けた。

1月25日までの5週間、政府機関が一部閉鎖していた関係で、商務省は今回の統計で1月の個人消費支出と2月の個人所得を合わせて発表した。

2月の個人所得は0.2%増。1月は0.1%減だった。米中貿易摩擦の影響を受ける農家への補助金などの例外的な要因でここ数カ月、所得が乱高下している。

賃金は2月に2カ月連続で0.3%増となった。貯蓄は1兆1900億ドルと、1月の1兆2200億ドルから減った。

最近発表された住宅着工や製造業の統計も軟調で、第1・四半期初めに米経済が急減速したことを示唆していた。この日の統計もそうした状況を示す新たな兆しだった。また、世界経済の鈍化や米中貿易摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱の先行き不透明感も経済見通しに影を落としている。

第1・四半期の国内総生産(GDP)見通しは最も軟調な見方が年率で0.9%増。18年第4・四半期は2.2%増だった。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=S&P4日続落、割高感を警戒 エヌビ

ワールド

ゼレンスキー氏が19日にトルコ訪問、ロシアとの交渉

ビジネス

日産、九州工場で24日から再び減産計画 ネクスペリ

ビジネス

NY外為市場=ドル対円で一時9カ月半ぶり高値、高市
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影風景がSNSで話題に、「再現度が高すぎる」とファン興奮
  • 4
    マイケル・J・フォックスが新著で初めて語る、40年目…
  • 5
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 6
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    「嘘つき」「極右」 嫌われる参政党が、それでも熱狂…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「日本人ファースト」「オーガニック右翼」というイ…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    「死ぬかと思った...」寿司を喉につまらせた女性を前…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中