ニュース速報

ボーイング737MAX、独英仏も運航停止

2019年03月13日(水)02時29分

[12日 ロイター] - エチオピア航空が運航する米ボーイングの最新鋭旅客機「737MAX」の墜落事故を受け、12日はオーストラリア、シンガポール、マレーシア、オマーンなどに続き、独英仏を含む欧州の主要国も同型機の運航を停止した。

欧州ではこの他、アイルランドやオーストリアなども運航を停止した。10日の墜落事故以降、エチオピア航空は保有する737MAX8全機の運航を停止。インドネシア、中国の当局も737MAXの運航を停止している。

米国は同型機の運航は安全との見解を示しているが、共和党の重鎮ロムニー上院議員と2020年米大統領選への出馬を表明している民主党のウォーレン議員はこの日、同型機の運航を一時停止するよう、米連邦航空局(FAA)に要請した。

墜落事故を受け、ボーイングは向こう数週間でソフトウエアを更新すると表明。声明で737MAX型機の安全性には「完全な自信」があるとの見解を示した。世界各国で運航停止が相次いでいることについて「規制当局や顧客は最適と考える決定を行った」とし、「(米FAAは)現時点では一段の措置は命じておらず、現在入手している情報に基づくと、航空各社に対し新たなガイダンスを出す根拠はない」とした。

10日のエチオピア航空の墜落事故では、乗客乗員157人全員が死亡。原因究明に向けた調査が進められている。昨年10月にもインドネシア・ライオン航空運営の同型機が墜落事故を起こしている。

英民間航空局は、737MAXの同国への発着および領空通過を禁止すると発表。

シンガポール民間航空庁も声明で、737MAX型機すべての運航を一時的に停止すると発表。シンガポール航空傘下のシルクエア―、中国南方航空、ガルーダ・インドネシア航空、山東航空、タイ・ライオン・エアが対象となる。

オーストラリアの民間航空安全当局のシェーン・カーモディー最高経営責任者(CEO)は声明で「737MAXの運航継続に関する安全性リスクの確認でさらなる情報を待つ間、一時的に運航を停止する」と説明した。オーストラリアの航空会社は同型機を運航しておらず、同国を発着するシンガポール航空傘下のシルクエア―とフィジー航空のみが運航停止の影響を受ける。

中南米では、ブラジルのゴル航空、アルゼンチンのアルゼンチン航空[AERA.UL]、メキシコのアエロメヒコ航空が同型機の運航を停止。

アジアでは、韓国のイースター航空が13日から同型機2機の運航を停止する方針を示している。インドは同型機の点検強化を指示しつつつも、「目立った懸念」は確認されていないとしている。

一方、北米・中東間の路線では同型機の運航が続いている。また、ノルウェー航空当局はノルウェー・エアシャトルの運営する737MAX機の安全性を確信していると発表した。

フライトグローバルによると、世界で運航されている737MAXの371機中、これまでに約40%の運航が停止された。

ボーイングの株価は続落し、中盤の取引で6.4%安で推移している。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

焦点:闇に隠れるパイロットの精神疾患、操縦免許剥奪

ビジネス

ソフトバンクG、米デジタルインフラ投資企業「デジタ

ビジネス

ネットフリックスのワーナー買収、ハリウッドの労組が

ワールド

米、B型肝炎ワクチンの出生時接種推奨を撤回 ケネデ
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 5
    『羅生門』『七人の侍』『用心棒』――黒澤明はどれだ…
  • 6
    左手にゴルフクラブを握ったまま、茂みに向かって...…
  • 7
    「ボタン閉めろ...」元モデルの「密着レギンス×前開…
  • 8
    三船敏郎から岡田准一へ――「デスゲーム」にまで宿る…
  • 9
    仕事が捗る「充電の選び方」──Anker Primeの充電器、…
  • 10
    主食は「放射能」...チェルノブイリ原発事故現場の立…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺るがす「ブラックウィドウ」とは?
  • 3
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」が追いつかなくなっている状態とは?
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    戦争中に青年期を過ごした世代の男性は、終戦時56%…
  • 6
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 7
    イスラエル軍幹部が人生を賭けた内部告発...沈黙させ…
  • 8
    【クイズ】アルコール依存症の人の割合が「最も高い…
  • 9
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 10
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中