ニュース速報

ドル109円後半でもみ合い、ドラギ発言に注目

2019年01月24日(木)15時29分

[東京 24日 ロイター] - 午後3時のドル/円は、ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、わずかにドル高/円安の109円後半。前日の海外市場でドルは110円にワンタッチしたものの、その後急落したことで、この日の市場では気迷い気分が広がった。市場は欧州中央銀行(ECB)理事会後のドラギ総裁の会見に関心を寄せている。

ドルは昼前に109.44円まで軟化した後、109.66円まで反発したが、この日は株価もさえない動きに終始したため、ドルも前日のレンジ内での小幅な値動きとなった。

ドルは前日110円ちょうどまで上昇し、昨年12月31日以来3週間半ぶり高値をつけた。たが、110円到達直後に、短期筋によるドルロングの投げや利益確定売りが殺到し、109.39円まで下落した。

下落局面では、米経済諮問委員会(CEA)のハセット委員長が、政府機関の閉鎖が第1・四半期末まで継続した場合、同四半期の経済成長率はゼロになる可能性があるとの認識を示すなど「リスク要因は引き続き多く、円を売り続ける地合いでもない」(トレーダー)という。

市場では、個人の証拠金取引で110円ちょうどに売りオーダーが並んでいるとの指摘も聞かれ、東京時間は110円は売りの構えの参加者が多そうだ。

また、110円半ばにドル売りオーダーを置いていた輸出企業の一部は、オーダーを110.30円付近まで切り下げたという。

市場の関心は、このあと開かれる欧州中央銀行(ECB)理事会後のドラギ総裁の会見に注がれている。

「欧州の景況感が脆弱であるため、金融政策の正常化は急がないなど、会見で出口戦略を後ずれさせるニュアンスが出てくるかもしれない」(FXアナリスト)との見方も出ている。

豪ドルは77円後半から78円半ばを上下。12月の就業者数が前月比2万1600人増と予想を上回ったことでいったん買われたものの、ナショナル・オーストラリア銀行が住宅ローン金利を引き上げると発表すると、景気冷え込みへの懸念から売りが強まった。

英ポンドは143円前半で底堅い動き。一時143.55円付近まで上昇し昨年12月中旬以来1カ月ぶり高値をつけた。

野党労働党が合意なきEU離脱の回避案を支持するとの報道に加え、イングランド銀行(中央銀行、BOE)のブロードベント副総裁が、将来の中立金利は低下より上昇する可能性が高いと発言したことも話題となった。

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 109.60/62 1.1383/87 124.72/76

午前9時現在 109.49/51 1.1380/84 124.66/70

NY午後5時 109.59/61 1.1380/82 124.73/77

(為替マーケットチーム)

ロイター
Copyright (C) 2019 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

レゾナック、1―9月期純利益は90%減 通期見通し

ビジネス

三越伊勢丹HD、通期純利益予想を上方修正 過去最高

ビジネス

日経平均は続伸、景気敏感株上昇 TOPIXは最高値

ワールド

米公民権運動指導者ジャクソン師、進行性核上性麻痺で
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 3
    ファン激怒...『スター・ウォーズ』人気キャラの続編をディズニーが中止に、5000人超の「怒りの署名活動」に発展
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「イケメンすぎる」...飲酒運転で捕まった男性の「逮…
  • 6
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 7
    ついに開館した「大エジプト博物館」の展示内容とは…
  • 8
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 9
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 10
    「麻薬密輸ボート」爆撃の瞬間を公開...米軍がカリブ…
  • 1
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 2
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 3
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披露目会で「情けない大失態」...「衝撃映像」がSNSで拡散
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 6
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 7
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 8
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中