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トランプ米大統領、非常権限行使辞さず 壁費用巡り
[マッカレン(米テキサス州)/ワシントン 10日 ロイター] - トランプ米大統領は10日、メキシコ国境の壁建設費用確保に向け、非常権限の行使も辞さない構えを示した。
ホワイトハウスで記者団に「国家非常事態を宣言できる絶対的な権限がある」との見解を繰り返し、「権限行使の準備はできていないが、必要なら実行する」と明言した。
議会が壁建設費用で折り合えなければ、「ほぼ確実に」宣言するとの見通しを示した。
予算審議・編成を行う権限は議会が担うが、トランプ氏は非常事態を宣言することで国防総省の予算から壁建設に資金を移せるようになるとされる。
実際に宣言すれば、是非を巡って議会民主党側が直ちに法廷論争に踏み切る公算が大きい。
トランプ氏はこの日、テキサス州の国境地帯を訪れ、不法移民に殺害された被害者遺族や、政府閉鎖中に給与支払いを受けていない国境警備隊員らと面会した。
トランプ氏はここでも「国家非常事態を宣言できる。その必要が生じるべきではないが、可能ではある」と語った。
押収された銃や現金が詰め込まれた袋などが並ぶ会場で、トランプ氏は「何らかの非常に大きな防壁を構築しなければ、この問題を解決できないだろう」と述べた。
トランプ氏は前日、民主党指導部との協議を退席。民主党の出席者が要求を拒絶したとし、中国より対応しにくい相手と批判した。
トランプ氏を支持する共和党のグラム上院議員は「今ほど前進することに悲観的な見方を抱いたことはない。今後の道筋が見通せない」とし、トランプ氏が国家非常事態を宣言するときが来たと述べた。
11日には約80万人の連邦政府職員の給与が支払われない見通しで、両党の対立はさらに悪化する可能性がある。
トランプ氏は、政府機関の一部閉鎖継続を受け、22日からスイスで始まる世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)への出席を取りやめるとも表明した。
*内容を追加しました。