ニュース速報

仏景況感、抗議デモで悪化 景気減速へ

2018年12月21日(金)19時33分

[パリ 21日 ロイター] - フランスの反政府デモを受けて、同国の企業心理が悪化している。

国立統計経済研究所(INSEE)が21日発表した12月の総合景況感指数は102と前月の105から低下し、2016年11月以来の低水準となった。[nL3N1YQ34Q]

特に小売りセクターの景況感が悪化。同セクターの景況感指数は前月の107から100に低下し、2015年1月以降で最低となった。

クリスマス商戦を控えた重要な時期に、パリで反政府運動「黄色いベスト」の大規模デモが行われたことが響いた。

パリの百貨店プランタンのピエール・ペラレイ最高経営責任者(CEO)は、ラジオ局フランスアンフォに対し、旗艦店の12月の売り上げが10%前後落ち込んでいると発言。

ホテル産業も打撃を受けており、パリだけで予約のキャンセルにより1800万ユーロ(2060万ドル)の損失が発生した。

INSEEは今週、第4・四半期のGDPが反政府デモなどの影響で0.2%増に減速するとの見通しを示している。

この日発表となった第3・四半期の国内総生産(GDP)確報値は前期比0.3%増と、速報値の0.4%増から下方改定された。[nL3N1YQ32D]

今年は、上半期も増税や交通機関のストにより、経済成長が低迷。INSEEは、今年の経済成長率を1.5%と予測している。

第3・四半期の統計では、増税で購買力が低下したとのデモ参加者の主張も一部裏付けられた。

第3・四半期の家計の実質可処分所得は0.4%増と、第2・四半期の0.8%増から伸びが鈍化。賃金の低迷や税負担の増加が響いた。

ただ第3・四半期の個人支出は0.4%増加。貯蓄率が14.5%から14.4%に低下した。

企業投資は1.5%増。企業の利益率は31.9%と、第2・四半期の31.7%から改善した。生産性の向上が背景という。

ロイター
Copyright (C) 2018 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

12月FOMCで利下げ見送りとの観測高まる、9月雇

ビジネス

米国株式市場・序盤=ダウ600ドル高・ナスダック2

ビジネス

さらなる利下げは金融安定リスクを招く=米クリーブラ

ビジネス

米新規失業保険申請、8000件減の22万件 継続受
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 5
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 6
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 7
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 8
    【クイズ】中国からの融資を「最も多く」受けている…
  • 9
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 10
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中