自由貿易の理論的には「無意味」な輸出振興策

こうした輸出振興策は、自由貿易の理論に従えば無意味ということになるが、果たしてそうだろうか。「日の丸を世界に」という一連の政策を支持する国民は多い。

貿易赤字についても同じ傾向が見て取れる。近年、多くのITサービスが外国企業に依存するようになっており、「デジタル貿易赤字」が「問題だ」と指摘されている。「問題だ」という言葉の裏には貿易赤字は悪とのニュアンスが強くにじみ出ている。

各国は貿易を黒字にしたいという無意識的な価値観を持っており、これまで赤字を気にしていなかったアメリカもその意向を前面に押し出すようになった。双方が黒字を主張する状況で自由貿易体制を維持するのは困難である。

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