データとしては、DNAテスト、投薬履歴、個人の健康情報記録(PHR)、心電図、筋電図、心拍変動、睡眠データなどが考えられるが、それらのデータをすべて取得して、総合的に神経刺激との関連性を解析するようになる、と同医師は予測する。たとえ1種類のデータの質が悪くても、複数の種類のデータを収集し、総合して解析すれば、質の悪いデータを他のデータが補完してくれるようになるからだ。(関連記事:マルチモーダル学習がAIビジネスの未来=米ABIリサーチ

また刺激を与えるのと同時にデータを取得すれば、刺激を与えることでデータがどのように変化するかを計測できる。その結果データの変化を基に刺激の量も変化させる。いわゆるフィードバックループを作らなければならないと同医師は指摘する。

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つまりマルチモーダル・フィードバック・ループの仕組みが、ニューロモジュレーションの未来だと同医師は考えているわけだ。

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その仕組みで一人一人の特徴をつかんでいく。自分の神経細胞はいくつくらいあって、どのように連携しているのか。通常はどのように作動し、どうなれば異常なのか。「それをマップ化し、神経力学の変数を作っていくことになるだろう」と言う。

そのような仕組みが可能になれば、ボタン一つでリラックスした状態に入れたり、超人的な能力を開発できるようになるかもしれない。「TransTechが目指す超越した意識状態にも簡単に入れるようになるだろう。経験したことのないような感覚体験を持てたりするかもしれない」と同医師は指摘する。新しいタイプの娯楽が誕生するかもしれない。

ニューロモジュレーションは、人間の精神にだけ影響を与えるのではない。迷走神経を使えば、身体全体に影響を与えることができるわけだ。ただしそのメカニズムは非常に複雑。AIなしには、実現できない世界だと思う。

ただそのプラットフォームができれば、ヘルスケアや医療が激変するのは間違いない。そのプラットフォームを開発した企業が、経済全体に大きな影響力を持つようになるだろう。大手AI企業が、この領域を狙っていないわけはない。

今まさに、新たなプラットフォームの覇権争いが水面化で静かに始まっているのかもしれない。

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