
APEC首脳会議に参加した21人のなかで、ひときわ輝いていた人物がいる。男性ばかりの会議の「紅一点」、ジュリア・ギラード豪首相(49)だ。
今年6月にオーストラリア初の女性首相となったギラードは、政治アプローチは実用主義のリベラル政治家。率直で気取りがなく「自然体」が最大の魅力だというので(本誌2010年7月5日号「初の女性首相ジュリアは自然体」)、APECで来日するのを楽しみにしていた。
11月13日に横浜市内のホテルで開かれたAPEC「CEOサミット2010」に登場したギラードは、前評判のとおり。白のジャケットに赤毛のコントラストが美しく、スラリとした長身にシャープな顔立ち。低めの声とソフトな口調が落ち着いた雰囲気をかもし出す一方で、パネルディスカッションの途中では屈託のない笑顔を見せる。
そんなチャーミングなギラードに、どうやらAPECの首脳陣もメロメロだったようだ。その様子を写真で見てみると――。*写真はすべて代表撮影。11月13日~14日、横浜市内のAPEC会場にて。








APEC開催中に各国首脳は多くの公式フォトを撮られるが、カメラに向かう記念撮影以外の場で「満面の笑み」というのは意外に少ない。疲れた顔やしかめっ面、やる気のない顔も数多いなか、ギラードのスマイルと、彼女に見せる各国首脳の笑顔は際立っていた。ホスト役の菅首相にとっても、周囲を明るくさせるギラードの存在は会議を運営する上できっと救いになったはずだ。
ギラードはこれまで外交経験の欠如を批判され、先月は「外交政策には情熱を感じない」、外交よりも教育などの内政に関心があると発言。元外交官で中国が堪能なケビン・ラッド前首相(現在は外相)と比較されるなか、先週のG20(ソウル)とAPEC(横浜)ではギラードの外交手腕が注目されていた。
終わってみると、韓国やアメリカ、日本を含む数カ国の首脳と次々に会談したギラードに対し、豪メディアの評価は高いようだ。自由貿易やアフガニスタン情勢などを協議したギラードについて、日刊紙オーストラリアンは「ジュリアが外交ステージで花開く」というタイトルの記事を掲載。「今回のアジア歴訪で大失敗はなし」とし、「ギラードが外交手腕に自信をもったのは確実だ」と評価した。
ギラードが横浜で見せた笑顔が本物だとすれば、「外交政策に情熱を感じる」という言葉を聞ける日はそう遠くないかもしれない。ギラードとの再会を楽しみにしているAPEC首脳たちにとっても、嬉しいニュースになるかも。
――編集部・小暮聡子