<「住めない」と判断された瞬間、家は資産から負債へ転じる。フロリダの危機は、その構造を浮き彫りにした>
エリック・ジョンソンがオハイオ州からフロリダ州に家族と共に移り住んだのは、2019年。新しいコンドミニアムから見えるジェンセンビーチの光景は「楽園のようだった」と、彼は振り返る。
オハイオの冬は凍えるほどの寒さだ。息子はADHD(注意欠陥・多動性障害)で「じっとしているのが苦手」だったので、重ね着をして屋内で過ごす生活は合っていなかったと、エリックは言う。
フロリダは違った。「空は晴れて、ビーチは美しい」と、エリックは言う。
「その頃、オハイオの住宅価格は上昇し始めていたが、フロリダはそれほどではなかった」。そのためオハイオの物件を高く売り、フロリダでは手頃な価格で住宅を手に入れられそうだった。「チャンスだと思い、そこに乗った」
一家はコンドミニアムを探していた。ビーチ沿いに住みたい人々にとって、コンドミニアムはフロリダの不動産市場では手頃で安心な選択肢だった。
「現地でいくつか物件を見た」と、エリックは言う。「そこで選んだのがビラ・デル・ソル(ジェンセンビーチのコンドミニアム)だった。ほかの物件と間取りが少し違っていて、いいなと思った」
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