そんな状況で2期目のトランプとその政策を無条件で支持するのは両刃の剣だと(口には出さぬまでも)考えている共和党員は少なくない。そんな態度では民主党支持者だけでなく、無党派層の一部からも見限られるからだ。
もちろん、トランプに忠誠を尽くしていれば28年の共和党予備選では確実に候補指名を獲得できるだろう。しかし本選挙でもバンスが熱烈なMAGA派の有権者をまとめていける保証はない。
実際、25年11月には注目度の高い知事選で共和党候補が連敗した。ニューヨーク市長選では34歳の民主党候補ゾーラン・マムダニが、トランプの推した無所属のアンドルー・クオモに圧勝している。
共和党議員に対するトランプの絶対的な支配力にも、このところは陰りが見える。11月には、悪名高い性犯罪者ジェフリー・エプスタイン(故人)に関する裁判資料の公開を義務付ける法案に共和党議員も賛成した。結果、一貫して公開に反対してきたトランプも方針を転換し、法案に署名せざるを得なかった。
共和党議員団の造反は異例であり、MAGA派に亀裂が生じる兆しかもしれない。そうであれば、3年後を目指すバンスも安心できない。
かつてトランプの選挙参謀の1人だった人物は、もっと辛辣だ。「(トランプべったりの)バンスは現時点で共和党の候補指名を確実にしたと言える。それはいいが、本選挙では苦しい。自分の独自色を打ち出せないからだ」
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