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Xをめぐるマスクの言動は明らかに共和党とトランプ支持に傾いている。グリーンテックの象徴だったテスラの経営がおろそかになっているとも指摘されている ARTUR WIDAKーNURPHOTOーREUTERS

マスクはテスラ(当時はテスラモーターズ)を乗っ取ってその電気自動車(EV)ビジネスを支えた。草創期だった米国内の太陽光パネルやエネルギー密度の高い充電池の市場にも投資し、気候変動が自らのビジネスの動機である理由について発言を続けた。

環境意識の高いセレブたちはマスクの発言や行動を見て、マスクの知名度向上に力を貸したり映画にテスラの車を登場させたりした。

Xは右翼プロパガンダの巣窟

もちろん宇宙への夢や、NASAとスペースXとの契約が果たした役割も決して小さくはない。だが未来に向けたマスクの目標の中において、ガソリンを使わない自動車などの環境技術は大きな比重を占めていた。

そのことは、トランプ政権初期におけるマスクとトランプとの関係にも少なからず影響を及ぼした。2016年の大統領選では民主党のヒラリー・クリントンに投票したマスクだったが、17年初めにトランプの諮問委員会のメンバーになった。

トランプの周囲が「過激論者ばかり」で固められているよりは、「穏健派」のアドバイザーがいたほうがいい、というのがその時のマスクの言い分だったが、長続きはしなかった。

気候変動に関するパリ協定からのアメリカの離脱を受け、マスクは「残留すべきだと大統領に直接、助言するためにやれることは全部やった」と言って辞任した。

マスクは20年の大統領選ではバイデンに投票したと繰り返し述べている。

だがマスクの伝記『イーロン・マスク』(邦訳・文藝春秋)を書いたウォルター・アイザックソンによれば、投票日にマスクは家から出なかったという。自分が票を投じなくても選挙結果に変わりはない、というのが理由だったらしい。

またアイザックソンは、21年に大統領主催で行われたEV関連のイベントに招待されなかったことで、マスクはバイデンへの反発を強めたと指摘している。

一方で、23年にはテスラの急速充電器「スーパーチャージャー」のネットワークを一般に開放する協定をバイデン政権と交わし、スペースXとテスラは米政府との契約を大量に獲得している。

しかし、現政権の規制推進や労働組合寄りの姿勢にいら立つ超富裕層の仲間と同じように、マスクはますます右傾化していった。

マスクの政治はイデオロギーの問題だったのか、それとも個人の富の問題だったのか。党派にこだわらない政治献金や大物共和党議員との衝突を考えると、常に後者が前者の根底にあるようだ。

いずれにせよ、トランプへの寄付や支持については曖昧な態度を続けているが、公的な発言やイデオロギー的なコミットメントは、今や完全に前大統領支持に傾いている。

Xは憎悪に満ちたコンテンツと右翼プロパガンダの巣窟に