<年間200万トンの都市廃棄物を焼却することで電気を作り、12万世帯分の電力を供給する最先端施設が発表されたが、根本的な解決策ではない>

ドバイで開催された国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)の一環として、アラブ首長国連邦(UAE)は完成したばかりの廃棄物発電(WTE)施設を披露した。

世界最大の処理能力を持つ同施設は年間200万トンの都市廃棄物を焼却することで電気を作り、12万世帯分の電力を供給するという。

矛盾するようだが最先端のこの施設、廃棄物処理の在り方としては新しくない。

最近完成したか現在建設中か、または建設予定のWTE施設は世界に数千カ所ある。既に2600以上の施設が稼働し、中国だけで400を超える。

WTE産業は急成長が見込まれ、2021年に277億ドルだった売り上げは29年には約452億ドルまで伸びると予想される。成長の行方はパリ協定の目標達成に向けた各国の努力に負うところが大きい。

気候変動との闘いには朗報だ。WTE施設は世界で年間4億トン以上のごみを処理している。

再利用、堆肥化、リサイクルを行った後に残されるごみは年間20億トンだから、その20%程度を処理している計算だ。

ごみを埋め立てれば、温室効果が二酸化炭素の28倍というメタンガスが発生する。一方WTE施設に送ればガスの排出は減り、土地は保護され、電気も作れる。

だがWTEは革命的イノベーションというより昔ながらの発想、ごみを作らないようにするのではなく作ってしまったごみをなくそうとする試みだ。

近著『Unmaking Waste(ごみを作らない)』で、私は過剰な消費を有益な力に変えようとするごみ処理の歴史をたどった。

WTEの中核技術である焼却は、衛生的で効率がよく収益性の高いごみ処理方法としてもてはやされてきた。

19世紀後半には役人や衛生関係の技師が、火は廃棄物を破壊、殺菌し、内燃機関の動力源となる蒸気を発生させるとたたえた。

だが焼却の潜在能力がフルに発揮されることはなかった。一般に水分を多く含む有機物は高温で燃やさなければならないが、生ごみを燃やしてもさほど温度が上がらない。

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