もちろん、それでグローバルサウスの国々が一斉に反米に転じるわけではない。欧米の偽善に腹を立てはしても、それぞれの国益を追求するなかではアメリカや欧州諸国との関係は切れない。

だが、今までどおりにいくと思うのは間違いだ。人権だの法の支配だのという私たちの議論に、彼らはますます耳を貸さなくなる。そして中国とアメリカをてんびんにかけて、様子を見る国が今よりも増えることだろう。

付言すれば、今回の不幸な戦争がどう転んでも、アメリカ外交の評判が高まることはない。

10.7の奇襲を防げなかったことで、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の評判は地に落ちただろうが、アメリカ政府も同じく予測できなかったし、その後の対応も(少なくとも今までのところは)お粗末すぎる。

そしてもしも、ウクライナの戦争が不幸な結末を迎えたらどうなるか。

アメリカの信用だけでなく、その判断力も問われることになる。

よその国がアメリカ政府の助言に従うのは、アメリカ政府には確かな情報と判断力と行動力があり、人権にも法の支配にも一定の配慮をしてくれると思えばこそだ。

その前提が崩れたら、誰もアメリカの助言など聞かなくなる。

From Foreign Policy Magazine

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