買収して工場を抜本的に改革、年4億2000万個製造能力に

そんな強気の姿勢を裏付ける、積極的な生産体制の増強もインドでは進む。拠点となるのは各地に分散させた7工場と30の営業所。うち配線器具に関しては北部ウッタラーカンド州のハリドワール工場と、南部アンドラプラデーシュ州のスリシティ工場を中心に製造量を拡大中だ。

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ハリドワール工場で製造する製品群。多品種少量生産が軸になってきている Photo by Tomohiko Ando

ハリドワール工場は、8万7000平方メートル近い敷地に2つの建屋を擁し、約4800人が働く。元々アンカーが運営していた工場をパナソニックが引き継ぎ、規模や生産性を向上させてきた。買収当時は、工場の周囲や製造現場が散らかり放題で事故も多く、とても製造に集中できる環境とはいえなかったという。

「日本の津工場(三重県)と共通の設備を導入した上で、技術者も招聘して指導にあたるなど、抜本的な改革や底上げを図った」と、現地で配線器具など電材事業の生産管理の責任者を務める小林健太郎氏は振り返る。

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作業中の従業員たち Photo by Tomohiko Ando

津工場でも導入済みの自動化技術と現地従業員の手作業を組み合わせながら、多品種少量生産に対応した今では年4億2000万個の配線器具製造能力を有する同社のインド最大の工場へと姿を変えた。

大規模なIoTと自動搬送車を導入した「日本以上の工場」

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スリシティ工場。工業団地の一角に東京ドーム3個分の敷地を構える Photo by Tomohiko Ando

一方、2022年4月に創業開始したばかりのスリシティ工場では、かつてお手本だった日本の工場よりもさらに先を見据えた最新の設備が稼働している。

IoT技術による集中的な生産管理と、ロボットの活用による部品製造から組み立て、工場内の搬送に至るまでの徹底した自動化が特長だ。さらに生産性を向上させるため、スリシティ工場ではインドで需要の多い5品目に特化して量産している。

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工場内はロボットが行き交う。自動化が進み、規模の割に従業員はそう多くない Photo by Tomohiko Ando

およそ13万3000平方メートル(東京ドーム3個分に相当)というハリドワール工場の1.5倍の敷地で働く従業員はわずか300人ほど。現在の配線器具製造能力は年1.2億個だが、今後も従業員数をさほど増やすことなく、2030年までに年3億個まで引き上げる算段が既に立っているという。

筆者は今夏、ハリドワールとスリシティの両工場を視察したが、確かに後者の従業員は驚くほど少なく、大小の自動搬送車がひっきりなしに行き交う様子が目についた。

小林氏は、「日本の工場では、ここまでの規模のIoTや自動搬送車を試すことはできなかった。いずれインドで培った製造技術を日本へ輸出する可能性は十分にある」と話す。

なお、パナソニックが日本流をインドに融合させ、「シン・インド」的なメソッドを構築してきたのは製造面だけではない。

インドでパナソニックの配線器具を扱う4500店以上を販売管理システムでつなぎ、販売網を全土に展開するが、流通や販売後のサポート面でも、日本で培ってきたノウハウが注入されている。

パナソニックのアフターサービスは他社とまったく違う
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