有望な新薬候補を探すためにAIを利用し始めている製薬会社もある。精神疾患を専門とする製薬研究会社のサイコジェニックスでは、マウスを使った実験の結果を観察するために、人間の代わりにAIを活用するようにした。

これにより、新薬候補のテストの正確性を向上させ、コストを10分の1に抑えることができている。テストに要する期間も、それまでは平均5年を要していたが、3年に短縮できた(ただし、同社によれば、テストの結果は全て人間の専門家が確認するとのことだ)。

サイコジェニックスのAIが見つけた新薬候補の4種類が既に、臨床試験段階に進んでいる。この中で、有望な統合失調症治療薬は今年、臨床試験の第3相に進む予定だ。

■高齢者のケア

高齢者介護の現場では、ロボットへのニーズが極めて大きい。高齢者の孤独と孤立は見過ごせない問題になりつつある。家族だけでは高齢者に十分なケアを提供できず、その一方で高齢者介護の人手も不足していて、コストも増大しているのが現実なのだ。

既に介護ロボットがそうした人手不足を埋め合わせ始めている。ロボットが高齢者をモニタリングし、動画を家族に送ったり、高齢者のために小さな物を取ってきたり、さまざまな質問に回答したり、予定などの注意喚起をしたりする役割を果たしているのだ。高齢者とおしゃべりして、子供の頃の思い出話を引き出そうとするロボットも登場している。

チャットGPTのように円滑な会話ができるAIプログラムに限らず、ロボットが人間と関わる能力はさらに目覚ましい進歩を遂げるだろう。「(最新のAIを搭載したロボットは)高齢者が引き出しを引っかき回して何かを探しているケースと、引き出しを開けることそのものに難儀しているケースを識別できる」と、フォレスターのカランは言う。

■電話セールスも法律相談も

自動音声電話はこれまで迷惑な存在だったが、次に電話が鳴るときは相手が人間か機械か判別できないかもしれない。ニューヨーク大学ビジネススクールのロバート・シーマンズ准教授によれば、電話によるテレマーケティングはAIの得意分野だ。

シーマンズらが今後数年でAIが優位に立つタスクの種類を調べたところ、テレマーケティングがトップだった。「販売という極めて特殊な1つのタスクを伴う仕事で、通常は『台本』が用意されている」ので、AIには簡単なのだという。

既にAIを使っている法律事務所も
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