米国に到着したウクライナ人学生の多くは、感謝と罪悪感の板挟みになる。母国に残した家族のことを心配する一方で、学生の多くは母国復興に向けた学習に意欲を燃やす。

「私がこれまでに言葉を交わしたウクライナ人学生は、1人残らず帰国を願っている。できるだけ早く帰国したいというのが、彼らの心からの願いだ」と、エール大学のアーン・ウェスタッド教授(ロシア史研究)は語る。

支援はロシア人学生にも

こうした学校のほとんどは、ロシア人学生にも同じような支援を提供している。学生の立場では自国政府の対ウクライナ政策に関与できるわけでなく、戦争による混乱を体験している点では同じであるという認識だ。

モスクワ出身の学生アルセニー・Tさんは、ウクライナ侵攻が始まるとラトビアに逃れ、ロシアの統一国家試験を受けられず高校卒業資格を得られなかった。だが、ニューヨーク州立大学海事大学が一部の出願必要書類の提出を猶予し、秋学期の入学枠を確保してくれたおかげで、アルセニーさんはロシアでの徴兵を免れた。

IIEの報告書によれば、米国の大学における2020─21年度のロシア人学生とウクライナ人学生の在籍者数は、それぞれ4805人、1739人となっている。

シンハイフスキーさんはジョージタウン大学で経営学を学ぶつもりだった。だが母国の戦災を目にしたことで、国際関係論を学び、ウクライナに戻って政治家になりたいと考えている。

シンハイフスキーさんは、「私が自分で進路を変えたのではない。磁極の方が動いて、私を別の方向に向かわせた」と、話した。

Rose Horowitch(翻訳:エァクレーレン)

[ロイター]
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